【7.4都議選 女帝“自分ファースト”の思惑】#1
「古い議会は、もういらない」――。前回2017年の都議選第一声で小池都知事は、こう言って天敵の自民党をクサし、自ら率いる「都民ファーストの会(都ファ)」を称賛してみせた。結果は都ファの大躍進、自民は歴史的惨敗を喫した。あれから4年、いまや小池都知事は「古い議会」と批判した自民に接近し、都ファとの距離感が微妙になっている。政界は「何を考えているのか」と騒然だが、間違いないのは“女帝”が4日後の25日に告示が迫る都議選(7月4日投開票)において「自分ファースト」で動くことだ。その思惑を読み解く。
「自民51、公明16、維新1、都ファ13、立憲22、共産22、ほか2」――。
先週ぐらいから永田町では、こんな獲得議席予測データが出回った。自民党が行った調査とされるが、真偽は不明だ。
都議会は全127議席。現有議席は、都ファ46、自民25、公明23、共産18、立憲7、維新1、諸派が6で欠員1。データでは自民が倍増する一方、都ファは33議席減と大惨敗だ。自民は大勝した13年選挙時の「59議席」に近い水準まで戻すことになるが、「調査のおおむねの方向性は間違っていない」(自民党都連関係者)という。
この惨敗データに、ある都ファ関係者は「ここまで減らすのか……」と嘆息しつつ、こう言った。
「前回都議選では、公明との協力が大きくプラスに働いた。しかし今回、公明は自民と共闘体制を築き、都ファとは決裂。自公で過半数を握られれば知事のレームダック化は避けられない」
■「戦う」のか「見捨てる」のか
現有議席が合計48の自公は、「16議席」を上積みすれば過半数の64議席に届く。この4年間で存在感を示せなかった都ファに今回は風も吹かず、自公の組織選挙にはとても太刀打ちできない。
「正直情けないが、『16議席』は奪われてもおかしくない数字だ。阻止するには選挙中に知事に応援入りしてもらうしかない。広い選挙区なら複数回入ってもらう必要があるだろう」(前出の都ファ関係者)
小池都知事は都ファ候補の応援については「する」とも「しない」とも言わず、曖昧な態度を取り続けている。「惨敗必至の都ファを見捨てる気だ」(官邸事情通)という見方があるが、ある都政関係者は「そうとも限らない」と言い、こう続ける。
「自公の過半数阻止のため、小池知事自ら動くケースも想定できる。実際、『自公で過半数は困難』とみる都幹部は多い。コロナの感染状況によっては自民に批判が集まる。また、コロナ禍で活動が制限される公明が、議席を複数落とす可能性もある。『16議席』を上積みできないのではないか。さらに、この期に及んで知事の応援を求める自公の候補者がいる。知事の応援で当選した自公都議は『反小池』にはならないのではないか」
小池都知事がどうしても取りにいきたいのが、永田町と霞が関のある千代田区選挙区だという。(つづく)