東京都港区のマンションで2006年、都立小山台高2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16歳)が、シンドラーエレベータ社製のエレベーターに挟まれて死亡した事故で、区の事故調査委員会(委員長・青木康平副区長)は24日、マンションを管理する区住宅公社の関係者らへのヒアリング結果や区の今後の取り組みなどをまとめた最終報告書を公表した。
事故を巡っては、国土交通省による事故調査や、刑事裁判と民事裁判が進み、事故以前からエレベーターに不具合があったことを公社職員が把握していたことが判明。今回は、区として改めて調査していた。
区は調査で、昨年11~12月に当時の公社の幹部や直接の担当者ら計3人に聴取。報告書では、幹部2人は事故前のエレベーターの保守管理方法や不具合発生時の対応について「特段、課題や検討、協議すべき案件はなかった」などとしたが、担当者は「(公社が管理する)各施設で異なる仕様書を使用しており、統一した仕様書に見直しをする必要があった」「公社職員の専門知識が不足しており、研修会を実施するなど専門知識の向上を図る必要があった」などと話したとしている。
また、今後の区の方針としては①再発防止のため、区有施設での安全対策の取り組みをさらに充実させる②事故の記憶を風化させない取り組みを継続する③民間の建物のエレベーターへの戸開走行保護装置(二重ブレーキ)の設置を促進する――ことなどを進めると記した。
武井雅昭区長は報告書で「区民の安全を最優先とする区の基本姿勢を示すため、さまざまな安全対策を進めていく」としている。【加藤昌平】