平成27年に東京都江戸川区で発生した女子高生殺害事件をめぐり、仙台高裁の岡口基一(きいち)判事(55)から会員制交流サイト(SNS)への投稿で侮辱され、精神的苦痛を受けたとして女子高生の両親が岡口氏に計165万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、東京地裁(清野正彦裁判長)で開かれた。岡口氏の代理人弁護士は争う姿勢を示す一方、「早期解決の道を探りたい」として判決以外の解決を望むとした。今後、和解を探るとみられる。
岡口氏は出廷せず、弁論に先立ち、「投稿には決してご遺族を傷つける意図はなかったが、深く傷つけることになってしまったことに深くおわび申し上げる。早期に適切な解決ができるよう真摯(しんし)に対応する」と文書でコメントを出した。
閉廷後、女子高生の両親は都内で会見を開き、父親の岩瀬正史さん(52)は「(岡口氏から)これまでも謝罪したいとは聞いていたが、言葉だけだと思う。投稿をしつこく何度も行っており、誠実ではない」と訴えた。母親の裕見子さん(53)は、岡口氏側が弁論で和解を求める意向を示唆したことについて、「答弁書が来たら代理人弁護士と話し合いたい」と語った。
訴状によると、岡口氏は東京高裁に所属していた29年12月、事件についてツイッターで不適切な投稿を行った。その後、両親が東京高裁に抗議すると、30年10月に自身のブログに「申し訳ないが、単に因縁をつけているだけですよ」と記載。令和元年11月にはフェイスブックに「遺族は俺を非難するよう東京高裁事務局に洗脳された」などと投稿した。
投稿をめぐり、両親は岡口氏の罷免を求めて訴追請求し、国会の裁判官訴追委員会が今月16日、裁判官弾劾裁判所への訴追を決定した。