コロナ治療に有効か イベルメクチンの臨床試験を開始 興和

医薬品大手の興和(名古屋市)は1日、抗寄生虫薬のイベルメクチンが、新型コロナウイルス感染症の治療に効果があるかを検証する臨床試験を始めると発表した。早ければ年内にも結果をまとめて、薬事承認を申請したい考えだ。これまでも国内外で臨床試験がなされ、治療にも使われているが、有効性に対する専門家の評価は割れていた。
興和の臨床試験は、800~1000人の軽症患者を対象に、症状の改善などの有効性や、安全性を確認する。三輪芳弘社長は1日の記者会見で「約30年にわたって使われている薬で、安全性にはほとんど問題がない」と、すでに承認を得ている抗ウイルス薬のレムデシビルや、開発が進む新薬との違いを強調した。
イベルメクチンは、ノーベル医学生理学賞受賞者の大村智・北里大特別栄誉教授が開発に貢献した薬で、寄生虫によって失明するオンコセルカ症や、皮膚が硬くなるリンパ系フィラリア症などの治療に使われている。新型コロナでは、細胞を使った実験でウイルスの増殖を抑える効果があることが報告され、治療薬として期待が集まる。ただ、世界保健機関(WHO)は3月に「有効性を示す証拠が非常に不確かだ」として、臨床試験以外では使わないよう推奨している。【小川祐希】