甲府市の社会福祉法人「大寿会」の乗っ取りを図ったとして、社会福祉法違反などに問われた奈良県生駒市の貸金業竹山秀雄被告(60)と、大阪市の金融ブローカー板井隆夫被告(62)の初公判が30日、甲府地裁で開かれ、両被告は起訴事実を認めて即日結審した。被告人質問で竹山被告は「まっとうな仕事に憧れた」と大寿会を狙った理由を語った。
検察側の冒頭陳述によると、2019年5月、当時理事長だった山内
得立
(とくりゅう)被告(49)(社会福祉法違反で公判中)が金に困っていたため、知り合いだった板井被告が借り入れ先として竹山被告を紹介。竹山被告は違法な高利で2000万円を山内被告に貸したという。山内被告は大寿会から横領した金で返済を試みたが足りなかったため、竹山被告は、山内被告とその後理事長になった高橋克己被告(49)(同)に借金の帳消しと、横領金
補填
(ほてん)の名目で1億円を渡すことを約束。その見返りに「大寿会の事実上の支配権を譲るように迫った」とした。
弁護人や裁判官からの被告人質問で竹山被告は「元暴力団という不自由さがあり、世間や子供に誇れるまっとうな仕事に憧れた」と述べた。板井被告は「山内被告が借金を返さないと自分が責任を負わされると思った。利益をもらえる期待があった」と語った。
検察側は「社会福祉の理念をないがしろにし、極めて悪質」と主張し、竹山被告に懲役3年と罰金400万円、板井被告に懲役2年と罰金100万円をそれぞれ求刑。両被告の弁護人は執行猶予付きの判決を求めた。判決は9月8日。