肉食恐竜ティラノサウルスの仲間が見つかった岩手県久慈市の約9000万年前(白亜紀後期)の地層から、新たに複数の獣脚類の化石が見つかったと、久慈
琥珀
(こはく)博物館などが9日発表した。化石は早稲田大学教授らでつくる調査団が発見し、同一地域・地層から多様な獣脚類の化石が発見されるのは、国内で初めて。
発掘場所は、同市の久慈層群玉川層。同地層からはこれまで、カメやワニなどの脊椎動物の化石約2300点以上が発見され、日本の恐竜時代の生態系を知る重要な地層とされる。
今回新たに発表された化石は、3種類の獣脚類の歯の化石で、大きさは約3ミリ~1センチ。2016年から今年にかけて計5点が発掘された。中でも、「リカルドエステシア」という体長1・5メートルの小型恐竜の化石は、これまで北米の白亜紀後期の地層から発掘されていたが、国内では例がなく、アジアでも初めてだという。
早稲田大の平山廉教授(古生物学)によると、肉食動物特有のノコギリ型の形をした「
鋸歯
(きょし)」が確認できたものと、そうでないものが同じ地層から見つかったことから、当時の食性が肉食や雑食など様々だったことがわかった。更に、食物連鎖の頂点にいた獣脚類が複数見つかったことで、当時の久慈地域は生態系が豊かだったことも示唆された。
9日に東京都で開かれた記者会見で、平山教授は「リカルドエステシアは、歯以外の化石がほとんど確認されておらず、久慈市から他の部位の発見が期待される」と話した。また、リカルドエステシアの歯の化石を発掘した、TCA東京ECO動物海洋専門学校恐竜・自然史博物専攻2年、石賀
大登
(だいと)さん(19)は「恐竜の歯だと知ったときは、ゾクゾクした。発掘できたことを光栄に思う」と話している。
発掘された化石は、久慈琥珀博物館の特別展で9月26日まで一般公開される。開館は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。入館料は高校生以上500円、小中学生200円。問い合わせは同館(0194・59・3831)へ。