五輪前の東京「週平均1000人感染」 専門家組織、首都圏に懸念

厚生労働省に新型コロナウイルス感染症対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」が14日に開かれ、「首都圏で当面は感染拡大が続く」との強い懸念を示した。
東京都の新規感染者数は、直近7日間平均823・3人(14日現在)に上る。国立感染症研究所(感染研)がABに出した試算によると、23日の東京オリンピック開会直前には同1000人程度に達するという。年代別でみると、ワクチン接種が進む65歳以上の割合は下がっているが、20~40代では増加し、入院者数も増えている。
また、夜間に飲食などの目的で都内の主要繁華街に滞留する人の数は、緊急事態宣言が再発令された12日の前から減少傾向にあるという。一方、感染研の分析では、インドで確認された感染力の強い変異株(デルタ株)の割合が首都圏(東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県)で40%以上に高まっており、8月末には100%近くを占めるとみられる。こうした複数の要因から、AB座長の脇田隆字・感染研所長は「感染者数の減少までどのくらいかかるか、予測は難しい」と述べた。
神奈川県でも新規感染者数が、週平均でみて2週間以上増加しており、感染研の試算では近日中に感染状況が最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」の水準に達するという。全国の新規感染者数の3分の2が首都圏に集中しており、ABは首都圏から全国へ感染が広がるのを防ぐため、夏休みについて「帰省や旅行で県境を越える移動に慎重を期していただくことが必要だ」と指摘した。【原田啓之】