五輪開会式作曲の小山田圭吾が辞任 曲は使わずオープニング映像4分程度が白紙に

東京五輪開会式の楽曲制作担当の一人だったミュージシャンの小山田圭吾(52)が19日、辞任した。大会組織委員会が同日夜、発表した。過去に雑誌のインタビューで学生時代のいじめについて告白し、批判を浴びていた。自身のツイッターで「さまざまな方への配慮に欠けていた」と謝罪。本人の申し出を受け、大会組織委が受理した。
大会準備の混乱が続く中、本番が4日後に迫った目玉式典の主要メンバーが不在となった。式典担当では、女性タレントの容姿を侮辱する内容を提案した統括役の佐々木宏氏も3月に辞任しており、大会が掲げる「多様性と調和」に背く不祥事が相次ぐ事態となった。
組織委はこの日、オンラインで会見し、小山田が手掛けた楽曲は使用しないと発表した。小山田が作曲を担当したのは、開会式冒頭でオープニング映像と共に流れる4分程度の楽曲だったと明らかにし、該当部分については現在、担当者が代替策を検討している。閉会式には関わっていないという。
また、小山田はパラリンピックの開会式にも関与していたと発表し、組織委の武藤敏郎事務総長はパラリンピックについても「当然手を引いてもらう」と交代させることを明らかにした。IOCには「全て報告済み」だという。
組織委は14日、開会式の制作・演出チームの一員として小山田の起用を発表。その後、いじめの告白が明らかとなり、小山田は16日に謝罪した。組織委は「最後まで準備に尽力していただきたい」と続投の方針を示していた。
だが、加藤勝信官房長官がこの日夕方の記者会見で「いじめや虐待はあってはならない行為であり、全く許されない」と断じ「組織委において適切に対応していただきたい。またそうした対応を取っていくことが必要だ」と求めていた。
組織委は同日夜に「誤った判断であると考えるに至り、辞意を受け入れることとした」とコメント。「不快な思いをさせ、混乱を招いたことを心からおわびする」と謝罪した。
武藤総長は「オープニングの楽曲が白紙になったが、挽回し、大会の象徴となる開会式を成功させることが我々の責任である」と話した。
◆小山田のコメント全文
この度の東京2020オリンピック・パラリンピック大会における私の楽曲参加につきまして、私がご依頼をお受けしたことは、様々な方への配慮に欠けていたと痛感しております。
関係各所にて調整をさせて頂き、組織委員会の皆様へ辞任の申し出をさせて頂きました。
皆様より頂きましたご指摘、ご意見を真摯(しんし)に受け止め、感謝申し上げると共に、これからの行動や考え方へと反映させていきたいと思っております。
この度は、誠に申し訳ございませんでした。
小山田圭吾 7月19日
◆小山田圭吾のいじめ告白問題を巡る経過
▼1994年1月 雑誌「ロッキング・オン・ジャパン」のインタビューで学生時代のいじめを告白
▼95年8月 雑誌「クイック・ジャパン」のインタビューで学生時代のいじめを告白
▼2021年7月14日 大会組織委員会が東京五輪開会式の楽曲制作担当の一人として小山田を起用すると発表。その後、インターネットなどで批判の声が相次ぐ
▼同16日 小山田がいじめを謝罪する文章をツイッターなどに掲載。組織委は解任しない方針を示す
▼同17日 組織委の武藤事務総長が小山田の続投を支持
▼同18日 雑誌「ロッキング・オン・ジャパン」が公式サイトに謝罪文を掲載