五輪だからといって何でも許されると思ったら大間違いだ。7月23日夜に国立競技場で行われた東京オリンピックの開会式の聖火リレーに厳しい目が向けられている。宮城・福島・岩手の東北3県の中高生ら6人が最終ランナーの大坂なおみ選手(23)に聖火を繋いだが、それが23時を過ぎていたためだ。
ネット上には〈子供があんな深夜まで拘束されるのが違和感しかなかった〉〈子供を出すなら時間考えて開会式設定しなきゃ〉という声が相次いだ。
労働基準法は原則として児童の深夜労働を禁じている。例外規定はいくつかあるが、たとえボランティアだったとしても深夜帯での出演には制限がある。例年、NHK紅白歌合戦で中学生アイドルや子役の出演が決まると、出演時間が話題になるのはそのためだ。しかし、今回の中高生らの“出演”について、大会組織委員会から事前に詳しい説明はなかった。
これに対し、疑義を呈したのは立憲民主党の塩村あやか参院議員。放送作家出身の塩村議員は25日、自身のツイッターで〈一昔前、テレビ番組で仕事をしていましたが、子どもの出演と時間は厳格でした。P(プロデューサー)もピリピリしてました〉〈ボランティアだから適用しないということだろうけど、深夜にとビックリ。五輪は何もかも特別で切り抜けてゆく〉と言及した。
この塩村議員の発言にネット上が大荒れだ。〈子供だからこそ、今度いつあるか分からない五輪の体験をさせてあげたい〉〈昔は親同伴で小学生が夜遅くまで山車の引き回しに付いていく事が普通にあった〉〈五輪という大舞台のためなら、開会式の1日くらいはいい〉という組織委の“例外”を擁護する声が目立った。ただ、五輪はただのお祭りではない。国際的なスポーツの祭典だ。
そもそも児童の深夜労働を問題視するような人たちは今回の五輪観戦を拒否し、開会式もスルーした可能性がある。だから塩村議員の指摘にもピンと来ない人がいるのかもしれない。
■つじつまさえ合っていればいいのか
日刊ゲンダイDIGITALは塩村議員に、発言の真意について改めて聞いてみた。
「かつて放送作家としてテレビの世界にいた私としては、今回の開会式で未成年の児童が深夜にテレビに出ている光景がとても奇妙に映りました。恐らく、大会組織委は保護者の許可を得るなど、規定にのっとって子供たちを深夜の聖火リレーに参加させたのでしょう。ただ、問題の本質は『法律的な規定をクリアしたか』だけではなく、『この国が順法精神にのっとっているか』だと思うのです。それこそ開会式は多くの子供もテレビで見ていました。平和の祭典をうたう大舞台で『つじつまさえ合ってればいい』という姿勢は国際的に恥ずかしいし、子供の教育にもよくないと思います」
ネットでは〈立憲民主党議員は五輪を東京を貶めようとしている〉といった陰謀論も渦巻いているが、今回に関してはそうした批判は的外れと言うしかない。