裸眼「1・0未満」の子供の割合が過去最悪…小学生で37%、中学生で58%

文部科学省は28日、2020年度の学校保健統計調査の結果を発表した。裸眼視力が1・0未満の小中学生の割合がいずれも過去最悪となり、文科省は「スマートフォンなどデジタル端末の利用時間の増加が一因では」とみている。
発表によると、視力1・0未満の割合は、小学生は前年度比2・95ポイント増の37・52%、中学生は0・82ポイント増の58・29%だった。高校生は過去最悪だった前年度より4・47ポイント減り、63・17%に改善した。幼稚園児は1・84ポイント増の27・90%だった。
1・0未満の割合は小1が24・22%、小6は49・47%、中3は60・61%と学年ごとに増える傾向にある。
小中学生は、1人1台の学習用端末を配る「GIGAスクール構想」により、今春以降、授業などで端末を使う時間の増加が見込まれる。文科省は、導入の影響などを把握するため、今年度から、全国の小中学生約9000人を対象に近視の実態調査を行っている。
一方、標準体重より20%以上重い「肥満傾向」、軽い「

痩身
(そうしん)傾向」の割合は、前年度よりほとんどの年齢で増えた。文科省は「休校中に体を動かさないなど、生活習慣の変化が影響した可能性もある」とする。
例年、学校保健統計の調査は4~6月に行うが、コロナ禍の休校などに配慮し、20年度は20年4月~21年3月と期間を延長。全国の幼稚園児や小中高校生(5~17歳)の25%にあたる334万人の健康診断の結果をまとめた。調査時期が例年と異なるため、文科省は「過去の数値と単純比較はできない」としている。