新型コロナウイルスの感染対策と並び、SNSの誹謗中傷が東京オリンピックの大きな問題になっている。複数の日本人選手がTwitterやインスタグラムのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)で中傷を受けていることを明かしたが、その中には海外からの攻撃も少なくない。 特に卓球の水谷隼、伊藤美誠両選手、体操の橋本大輝選手は中国のSNSでトレンド入りするほど誹謗中傷の対象となっており、対戦相手の中国人選手が自制を求めても収まらない。何が起きているのか。 ■日本選手がたびたびトレンド入り 中国国民はスポーツの国際大会への関心が高い。自国が出場していないサッカーW杯すらお祭り騒ぎになり、2018年のロシア大会は中国企業の広告が会場を埋め尽くした。 五輪に対する熱狂ぶりは言うまでもなく、東京大会開幕以来、メディアは金メダルの数に一喜一憂し、中国版Twitter「ウェイボー(微博)」のトレンド上位10トピックの8割は五輪関連で埋まっている。そして毎日のように、日本に関するトピックが上位に入る。 筆者が把握している限り、最初にトレンド入りしたのは卓球の試合に解説者として登場した福原愛さんだった。「久々に見たが、色白でかわいい」「元気そう」など平和な内容だったが、7月26日に卓球混合ダブルス決勝で水谷・伊藤ペアが中国チームを破るとムードは一変した。試合直後はトレンド1位から3位までを同試合関連が占め、うち1件は水谷・伊藤ペアに不正の疑いがあると指摘する内容だった。 27日の男子シングルスで丹羽孝希選手が敗退すると「卓球男子日本選手全滅」が、29日に女子シングルス準決勝で伊藤選手が中国の孫穎莎(スン・インシャー)選手に敗れると、「伊藤美誠が負かされて泣く」がトレンド入りした。どちらのトピックもウェイボーには「ざまあみろ」「万歳」といった投稿があふれた。 そして卓球以上に炎上が長引いているのが、28日の体操男子個人総合で金メダルを獲った橋本大輝選手だ。「橋本大輝が跳馬で失敗」から始まり、同選手が採点の不正で金を盗んだとの中傷、橋本選手がインスタのコメントが荒らしに遭っていること、その後Twitterで誹謗中傷に対する心中を明かしたことなど、一挙手一投足がトレンド入りしている。 当然ながら中国選手は日本以外の国とも対戦しているのだが、攻撃されるのは日本人選手ばかりだ。これには2つの理由が考えられる。 まず卓球と体操は中国にとっては国技・お家芸とも言える競技で、日本が目の上のたんこぶになっている点だ。
新型コロナウイルスの感染対策と並び、SNSの誹謗中傷が東京オリンピックの大きな問題になっている。複数の日本人選手がTwitterやインスタグラムのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)で中傷を受けていることを明かしたが、その中には海外からの攻撃も少なくない。
特に卓球の水谷隼、伊藤美誠両選手、体操の橋本大輝選手は中国のSNSでトレンド入りするほど誹謗中傷の対象となっており、対戦相手の中国人選手が自制を求めても収まらない。何が起きているのか。
■日本選手がたびたびトレンド入り
中国国民はスポーツの国際大会への関心が高い。自国が出場していないサッカーW杯すらお祭り騒ぎになり、2018年のロシア大会は中国企業の広告が会場を埋め尽くした。
五輪に対する熱狂ぶりは言うまでもなく、東京大会開幕以来、メディアは金メダルの数に一喜一憂し、中国版Twitter「ウェイボー(微博)」のトレンド上位10トピックの8割は五輪関連で埋まっている。そして毎日のように、日本に関するトピックが上位に入る。
筆者が把握している限り、最初にトレンド入りしたのは卓球の試合に解説者として登場した福原愛さんだった。「久々に見たが、色白でかわいい」「元気そう」など平和な内容だったが、7月26日に卓球混合ダブルス決勝で水谷・伊藤ペアが中国チームを破るとムードは一変した。試合直後はトレンド1位から3位までを同試合関連が占め、うち1件は水谷・伊藤ペアに不正の疑いがあると指摘する内容だった。
27日の男子シングルスで丹羽孝希選手が敗退すると「卓球男子日本選手全滅」が、29日に女子シングルス準決勝で伊藤選手が中国の孫穎莎(スン・インシャー)選手に敗れると、「伊藤美誠が負かされて泣く」がトレンド入りした。どちらのトピックもウェイボーには「ざまあみろ」「万歳」といった投稿があふれた。
そして卓球以上に炎上が長引いているのが、28日の体操男子個人総合で金メダルを獲った橋本大輝選手だ。「橋本大輝が跳馬で失敗」から始まり、同選手が採点の不正で金を盗んだとの中傷、橋本選手がインスタのコメントが荒らしに遭っていること、その後Twitterで誹謗中傷に対する心中を明かしたことなど、一挙手一投足がトレンド入りしている。
当然ながら中国選手は日本以外の国とも対戦しているのだが、攻撃されるのは日本人選手ばかりだ。これには2つの理由が考えられる。
まず卓球と体操は中国にとっては国技・お家芸とも言える競技で、日本が目の上のたんこぶになっている点だ。