夢に操られ?「婚約指輪を飲み込んだ女」X線検査で胃の中に発見 米国

睡眠中に寝ぼけながら行動する障害は、俗に「夢遊病」の名前で知られている。睡眠障害にはいろいろな種類があり、放っておくと、日中の活動に影響を及ぼすだけではなく、心身の不調につながるため、治療が必要だが、米カリフォルニア州の女性は、夢を見て婚約指輪を飲み込んでしまったという!
このおかしな体験を報告するのは、カリフォルニア州サンディエゴに住んでいるジェンナ・エヴァンス(Jenna Evans)さん。ジェンナさんは今月11日の朝、左手の指にあるはずの婚約指輪が無くなっていることに気づいた。
枕元を探している最中、ふと昨夜の夢のなかで、指輪を取り上げようとする「悪者」から守るために指輪を飲むよう、誰かに命じられたことを思い出した。
「もしかして、あれは正夢だったの!?」すぐに隣で寝ているボーイフレンドのボブ・ハウエルさんを叩き起こしたが、話している間にも、あまりにもトンデモない事態に、吹き出す始末。しかし、だんだんと「もし指輪が出てこなかったら?」と不安がつのってきた。
指輪の贈り主であるボブさんが「とにかく消化器内科に行こう」と車を走らせ、X線検査を受診。レントゲン写真には胃の中の指輪がハッキリ写っていたが、医師は「排泄を待っていると、内臓を傷つけるおそれがある」と言って、手術で取り出すことが決まった。
手術自体は、口から胃カメラ付きの内視鏡を使うというもので、指輪もすぐに見つかったが、ジェンナさんの指に戻ってくることは無かった。医者が「睡眠障害を治療しなければ、また同じことを繰り返しますよ」と言ったからだ。そこでボブさんがいっとき指輪を預かることにし、ジェンナさんは現在、専門医のもとで治療中だ。

日本医師会によると、わたしたちは眠りにおちてすぐに深い眠りの「ノンレム睡眠」に入り、つぎに浅い眠りの「レム睡眠」状態になる。ひと晩の間にだいたい90分ずつノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しているという。
冒頭の夢遊病は、就眠後1~2時間後のノンレム睡眠中に起こる症状だが、ジェンナさんの場合は、夢を見ていることが多いレム睡眠時の行動障害である可能性が高いという。
最近の研究で、夢を見ているレム睡眠中の行動障害は、レビー小体型認知症やパーキンソン病を引き起こす可能性があると指摘されていることから、「たかが夢」と軽視せず、気になることがあれば、早めの受診を…。