大津市高砂町の国道161号西大津バイパス近江神宮ランプ付近で14日に発生した土砂崩れは、2012~13年に市内の建設会社が無許可で行った盛り土の崩落だった可能性が高いことが、市への取材で18日分かった。同社は17年に市の指導に従って盛り土の一部を撤去するなどし、市も定期的に現地を点検していたが崩落を予測できなかったという。
市によると、近江神宮ランプ西側の斜面の頂上部には同社の資材置き場があり、14年3月、敷地内の斜面6260平方メートルに建設残土とみられる土砂が無許可で搬入されているのを確認した。同社が是正指導に従わなかったため、市は市土砂条例違反の疑いで同社と社長を滋賀県警に告発、罰金刑が確定した。
同年8月の台風11号で盛り土の一部が今回と同様に崩れたため、市は再度、対策を講じるよう指導。同社は搬入当時の条例に基づき、3千平方メートルを超える部分の盛り土を撤去し、地面を薬剤で固めるなどの対策を17年度に施した。18年6月以降は市職員が定期的に現地を訪れ、目視による点検で地形に変化がないことを確認していたという。
市は「対策はきちんと完了したと認識しており、違法な状態ではなかった」(不法投棄対策課)としている。市は14年3月に条例を改正し、千平方メートル以上で市の許可を必要とするよう規制を強化したが、12~13年の土砂搬入時にさかのぼって適用することはできないといい、今後、同社に残りの盛り土の撤去や土砂を受け止める鋼板の設置などを求めることを検討する。
同社は取材に対し「担当者がおらず、答えられない」とコメントした。