デルタ株拡大で急増「家庭内感染」どう防ぐ? 確認しておきたい必要最低限の対策 専門家「食事の時間ずらすのがポイント」

新型コロナウイルスの「デルタ株」拡大で、家庭内感染が急増している。自宅療養者も増えるなか、家族全員感染の事例も後を絶たない。家庭内では徹底した感染対策に限界があるのも事実だが、最低限心掛けるべき対策を確認しておきたい。
22日時点の東京都内の自宅療養者は2万4704人。療養先が決まっていない患者を含めると3万9000人を超えている。大阪府の同日時点の自宅療養者は1万3930人で、1707人が入院先などを調整中だ。
都のモニタリング会議の資料によると、今月2~9日の濃厚接触者における感染経路は同居(家庭内)が61・4%に上る。家庭全員の感染も増えている。都内では自宅療養していた夫婦と子供の家族3人のうち、糖尿病の基礎疾患がある40代の母親が亡くなる痛ましい事例もあった。
家庭内感染の増加について、浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏は、デルタ株の影響も否定できないとみる。「昨年8月ごろに10~40%程度だった家庭内感染が今は70%程度になっており、家族全員が感染することも多い。今は症状の有無にかかわらず検査をする余裕がないため、感染者は公表数の1・5倍程度いる可能性もある」と指摘する。
厚生労働省や日本環境感染症学会は、家庭内の感染対策として日中の換気のほか、「取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する」「汚れたリネン、衣服を洗濯する」「ゴミは密閉して捨てる」など8項目を掲げている。
矢野氏は「同居家族間で対策を徹底するのは現実的に難しい」とし、必要最低限の策を講じるべきだという。「食事の時間をずらすことがポイントだ。感染者や体調不良者が出た場合は部屋を隔離し、他の家族はマスクを着用する。同居人以外の人を家に入れる場合は、1メートル以上の身体的距離をとる」と矢野氏。
換気については「1時間に2回程度、対角線上の窓と扉を半分程度開け、空気の流れを作る。換気が難しい場合、空気清浄機を部屋の中心に置くのが効果的だ。自動車に同居人以外と乗る場合、必ず換気をする必要がある」とする。
屋内では飛沫(ひまつ)対策に重点を置くべきだという。
矢野氏は「共用スペースなどの環境消毒は1日1回程度で、共用部分に触れたときの手指消毒は怠らないという程度で構わない。感染経路は接触より9割方、飛沫によるものとの見方もあるため、飛沫対策に注力した方がいい」と提言した。