石井志昂さん 「休んでもいい」 この一言で救われる子は大勢

学校に通うことがしんどくなったり、不登校になったりすることは誰にでもあります。親や先生は「私が追い詰めてしまった」と自分を責めてしまいがちです。そして、子どもを学校に戻そうと、さらに追い詰めてしまう……。そんなケースを何度も取材してきました。「今をまずは頑張らせる」と強い登校圧力をかけることは非常に危険です。「休んでもいい」。この一言で救われる子は大勢います。
夏休みが始まった頃の子どもの様子がどうだったか、まずは思い起こしてみてください。「終盤になってから苦しそう」「何かおかしい」と感じたら、その「勘」を信じてほしいのです。保護者の皆さんや先生の勘は、頼りになります。「私はあなたを心配している」と寄り添い、時間をかけて子どもの話を聞いてあげてください。
心配な様子があるかどうかに関係なく、心がけてほしいことがあります。雑談です。子どもの目に映る大人たちはいつも忙しそうで、「ちゃんと手洗った? 宿題は?」と「注意してくる人」になっているかもしれません。食後の5分、10分でいいです。そっとお茶を出し、テレビを見ながら話したり、子どもがいつも見ている動画の面白さを教えてもらったりしてみてください。何でもない話をする時間が、子ども自身の気持ちの整理や親を信頼するきっかけになります。
私は受験で挫折したことなどから中学2年で不登校になりました。周囲のどんな言葉も受け付けられないほど追い詰められましたが、自分の気持ちをじっくり聞いてもらえたことはありませんでした。突然かんしゃくを起こしたかと思えば、異常に上機嫌になる。情緒不安定な状態でつらさをため込んでいました。誰かに気持ちを聞いてもらっていたらだいぶ違っていたと思います。不登校になってからはフリースクールに通いました。
精神的に追い詰められた人は自分がつらいことを隠そうとしてしまいます。それでもぽろっと口にしたSOSを受けとめて「学校に行かなくても人生はどうにでもなる。大丈夫」と最初に肯定してくれたら、そこから本当に苦しい気持ちを打ち明けられるようになるはずです。【聞き手・千脇康平】
略歴
石井志昂(いしい・しこう) 1982年、東京都生まれ。NPO法人全国不登校新聞社(東京都)が発行する不登校専門紙の編集長を務め、子どもや保護者に向けた情報を発信。近著に「『学校に行きたくない』と子どもが言ったとき親ができること」(ポプラ社)。
相談窓口
・児童相談所虐待対応ダイヤル
189=年中無休、24時間。
・24時間子供SOSダイヤル
0120-0-78310=年中無休、24時間。
・子どもの人権110番
0120-007-110=平日午前8時半~午後5時15分。
・チャイルドライン
0120-99-7777=午後4~9時(対象は18歳まで)、12月29日~1月3日は休み。
https://childline.or.jp/