全国の児童相談所(児相)が2020年度に対応した18歳未満の子どもへの虐待件数は、前年度比6%増の20万5029件(速報値)で、初めて20万件を超えたことが27日、厚生労働省の集計で分かった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「ステイホーム」で家族が一緒にいることが増え、家庭内の衝突につながった例もあると同省はみている。
同省が全国の児相(220か所)で対応した虐待件数を集計した。前年度より1万1249件増えており、統計を開始した1990年度以降、30年連続で増加。15年度(10万3286件)からの5年間で倍増した。
子どもの前で親が家族らに暴力をふるう面前DV(ドメスティック・バイオレンス)を含めた「心理的虐待」が12万1325件で最も多く、全体の59%を占めた。続いて「身体的虐待」が5万33件、「ネグレクト(育児放棄)」が3万1420件、「性的虐待」が2251件だった。
心理的虐待は前年度より1万2207件も増えている。厚労省は▽外出自粛や感染防止策の徹底を求められる生活でストレスが蓄積した▽一斉休校やテレワークの推進による「ステイホーム」で家族が一緒にいる機会が増え、家庭内の不和が顕在化した――ことも増加の背景にあるとみている。