大阪府の吉村洋文知事は28日、民放番組に出演し、「大阪で野戦病院を作る」と述べ、新型コロナウイルス患者を受け入れる1000床規模の臨時医療施設を設置する方針を表明した。大阪市住之江区にある国際展示場「インテックス大阪」の利用に向け、同展示場の運営に関わる大阪市の松井一郎市長と調整しているとした。
吉村知事は「ベッドや資機材の搬入、場所の調整、医療従事者の確保など課題山積だが、とりかかる決断をした。自宅で亡くなる人を減らすのが最大の目標だ」と説明。設置計画のとりまとめに向け、医療関係者に協力を要請していることも明らかにした。開設時期については「できるだけ早く」と述べるにとどめた。
大阪大大学院医学系研究科の忽那賢志(くつな・さとし)教授(感染制御学)は自身のツイッターで、吉村知事から依頼を受け、府の臨時医療施設整備の指揮役を務めることになったと明らかにした。
府内では感染拡大が続き、病床の逼迫(ひっぱく)が進んでいる。28日時点で府が確保している軽症中等症病床2579床の使用率は77・1%に達した。感染者のうち入院した割合を示す入院率は同日時点で8・2%。自宅療養者は1万8384人で過去最多となっている。
今月13日には改正感染症法に基づき約80の医療機関に約500床の増床を要請したが、確保は12床にとどまり、さらなる病床逼迫への懸念が高まっている。
インテックス大阪は港湾地区にある約7万平方メートルの大規模展示施設で、9月下旬まで、大阪市の新型コロナワクチンの大規模接種会場として利用されている。
コロナ対策を定めた新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事に対し、医療機関が不足し、医療提供に支障が生じた場合には知事が開設する臨時の医療施設で医療を提供しなければならないと定めている。
関西経済連合会は18日、家庭内感染の防止や軽症患者の容体急変への対応、抗体カクテル療法の実施を目的に、臨時の大規模医療施設を早期に設けるよう求める提言を公表。日本医師会の中川俊男会長も記者会見で、中等症患者の入院場所として活用すべきだとの考えを示している。【田畠広景、村松洋】