菅首相“二階斬り”、岸田氏“改憲主張”…9・29総裁選前に自民党内大動乱 石破氏も出馬に色気 中堅・若手議員は次期衆院選にうろたえ

自民党は総裁選(9月17日告示、29日投開票)を前に、大動乱に突入した。菅義偉首相(総裁)は衆院選前に、権力集中への批判が噴出していた二階俊博幹事長を交代させる検討に入った。岸田文雄前政調会長は「憲法改正に取り組む」として、保守層の支持拡大を狙う。過去4回総裁選に挑戦した石破茂元幹事長も出馬に色気をにじませ、高市早苗前総務相は「日本初の女性宰相」を目指す。一部の世論調査で、菅内閣の支持率が30%以下の「危険水域」まで落ち込み、選挙に弱い中堅・若手は狼狽(ろうばい)しているが、重要なのは日本を取り巻く国際情勢が激変するなか、日本の平和と安定を維持できるリーダーだ。総裁選と次期衆院選を勝ち抜ける候補は誰なのか。 菅首相は30日午後、官邸の一室で、二階氏と側近の林幹雄幹事長代理と向き合った。首相にとって二階氏は、昨年の総裁選でいち早く「菅支持」を打ち出し、当選の流れをつくってくれた「恩人」である。 ただ、二階氏は幹事長在職期間が5年を超え、野党議員を引き入れる拡大路線や各地での公認争いの火種をつくる強引な手法で党内の反発が強かった。加えて、「親中派のドン」として、保守陣営とは距離があった。 岸田氏が「党役員任期の変更」を掲げ、事実上の「二階降ろし」を打ち出すなか、菅首相としては総裁選の焦点に「二階氏の処遇」が残るのを防ぐため、先に幹事長交代を打ち出したようだ。衆院選後に、衆院議長や副総裁などで処遇する可能性もある。 二階氏は党役員人事をめぐり、「自分には遠慮せず、気にせずに人事を行ってほしい」と語ったという。 菅首相は最近元気がなかったが、久しぶりに凄みも見せた。 30日午前、総裁選への出馬意向を示していた下村博文政調会長を官邸に呼び出し、「出馬断念」か「政調会長辞任」を迫った。下村氏は、菅首相に任命された政調会長だけに、「出馬すれば『令和の明智光秀』になる」との指摘があったが、出馬を翻意したという。 岸田氏は30日、国会内で安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相と相次ぎ会談し、支援を要請した。安倍氏は党内最大派閥の細田派に影響力を持ち、麻生氏は第2派閥の麻生派を率いる。 安倍、麻生両氏は現時点で、「菅支持」の姿勢を崩していないが、岸田氏は「首相になれば憲法改正に取り組む」と安倍氏に伝えたという。保守陣営の支持を期待したものとみられる。 高市氏は30日、電話などで国会議員や関係者に協力を呼び掛けた。9月1日発売の月刊「正論」や、今月発売の同「Hanada」のインタビューでは、「現状の閉塞(へいそく)感を打破する」「日本を守り未来を切り拓く」などと語っている。
自民党は総裁選(9月17日告示、29日投開票)を前に、大動乱に突入した。菅義偉首相(総裁)は衆院選前に、権力集中への批判が噴出していた二階俊博幹事長を交代させる検討に入った。岸田文雄前政調会長は「憲法改正に取り組む」として、保守層の支持拡大を狙う。過去4回総裁選に挑戦した石破茂元幹事長も出馬に色気をにじませ、高市早苗前総務相は「日本初の女性宰相」を目指す。一部の世論調査で、菅内閣の支持率が30%以下の「危険水域」まで落ち込み、選挙に弱い中堅・若手は狼狽(ろうばい)しているが、重要なのは日本を取り巻く国際情勢が激変するなか、日本の平和と安定を維持できるリーダーだ。総裁選と次期衆院選を勝ち抜ける候補は誰なのか。
菅首相は30日午後、官邸の一室で、二階氏と側近の林幹雄幹事長代理と向き合った。首相にとって二階氏は、昨年の総裁選でいち早く「菅支持」を打ち出し、当選の流れをつくってくれた「恩人」である。
ただ、二階氏は幹事長在職期間が5年を超え、野党議員を引き入れる拡大路線や各地での公認争いの火種をつくる強引な手法で党内の反発が強かった。加えて、「親中派のドン」として、保守陣営とは距離があった。
岸田氏が「党役員任期の変更」を掲げ、事実上の「二階降ろし」を打ち出すなか、菅首相としては総裁選の焦点に「二階氏の処遇」が残るのを防ぐため、先に幹事長交代を打ち出したようだ。衆院選後に、衆院議長や副総裁などで処遇する可能性もある。
二階氏は党役員人事をめぐり、「自分には遠慮せず、気にせずに人事を行ってほしい」と語ったという。
菅首相は最近元気がなかったが、久しぶりに凄みも見せた。
30日午前、総裁選への出馬意向を示していた下村博文政調会長を官邸に呼び出し、「出馬断念」か「政調会長辞任」を迫った。下村氏は、菅首相に任命された政調会長だけに、「出馬すれば『令和の明智光秀』になる」との指摘があったが、出馬を翻意したという。
岸田氏は30日、国会内で安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相と相次ぎ会談し、支援を要請した。安倍氏は党内最大派閥の細田派に影響力を持ち、麻生氏は第2派閥の麻生派を率いる。
安倍、麻生両氏は現時点で、「菅支持」の姿勢を崩していないが、岸田氏は「首相になれば憲法改正に取り組む」と安倍氏に伝えたという。保守陣営の支持を期待したものとみられる。
高市氏は30日、電話などで国会議員や関係者に協力を呼び掛けた。9月1日発売の月刊「正論」や、今月発売の同「Hanada」のインタビューでは、「現状の閉塞(へいそく)感を打破する」「日本を守り未来を切り拓く」などと語っている。