緊急事態宣言、19都道府県で9月末まで延長方針…宮城と岡山は重点措置へ

政府は8日、新型コロナウイルス対策で21都道府県に発令中の緊急事態宣言について、東京など19都道府県で30日まで延長する方針を固めた。宮城、岡山の2県は期限の12日で解除し、まん延防止等重点措置に移行させる。宣言解除にあたり、医療提供体制をより重視した新たな基準を適用する。
菅首相は8日、首相官邸で西村経済再生相ら関係閣僚と協議後、9日の基本的対処方針分科会に政府案を諮ることを記者団に明らかにした。分科会が了承すれば、その日のうちに政府対策本部で正式決定する。
協議に先立ち、政府の新型コロナ感染症対策分科会(尾身茂会長)は、宣言解除についての新基準をまとめた。政府はこれまで、〈1〉医療の

逼迫
(ひっぱく)具合〈2〉療養者数〈3〉PCR陽性率〈4〉新規感染者数〈5〉感染経路不明割合――という5指標に基づき、宣言の解除を判断してきた。
新基準では、これらの指標はそのまま残したうえで、〈1〉に重症者数と中等症者数が「継続して減少傾向にある」との項目を追加した。自宅療養者や入院調整中の人が大都市圏で「10万人あたり60人程度に向かって確実に減少している」、その他の地域では「特に療養等調整中の数が減少傾向にある」との項目も盛り込んだ。
〈4〉の新規感染者数は「2週間ほど継続して安定的に下降傾向」なら、指標を超える水準でも宣言を解除できるようにした。宮城、岡山の2県は、新規感染者数(7日時点)が「ステージ4」のままで宣言に相当する。ただ、医療の逼迫は改善傾向にあることから、宣言を解除する。
福島など12県に適用中の重点措置については、富山、山梨、愛媛、高知、佐賀、長崎の6県を期限の12日で解除する。宣言から重点措置に移る宮城、岡山を含む8県の新たな期限は30日となる。
首相は今回の政府方針について、記者団に「専門家の提言を踏まえて、医療体制の状況などを重視して判断を行っていきたい」と述べた。政府は10月以降の段階的な行動制限の緩和方針も9日に公表する考えだ。