抗体カクテルで症状改善、半数超が発症4日以内の投与…都「早期投与の効果裏付けられた」

新型コロナウイルスの軽症・中等症患者に行う「抗体カクテル療法」について、東京都は9日、都内医療機関での実施状況を公表した。症状の改善が確認された患者の投与開始時期は56%が発症4日以内で、6日以内では83%に上った。都は「早期投与が奏功することが裏付けられた」としている。
都は、都内の116医療機関で7月22日~9月2日に抗体カクテル療法を実施した1048人のうち、投与開始から2週間以上が経過した420人について、効果を分析した。症状が改善したのは400人で、このうち225人(56%)が発症4日以内に投与を始めていた。5、6日以内は108人(27%)だった。
抗体カクテル療法は原則、発症から7日以内に開始するが、7日以降でも65人(16%)に改善が見られた。
一方、分析対象の420人中、症状が改善しなかったのは19人で、12人は投与開始時期が発症5日以降と遅かった。死者は1人。基礎疾患のある60歳代の男性だった。都は開始時期を明らかにしていない。
亡くなった1人を除く419人のうち、ワクチン接種を受けていなかった人は230人いたが、215人で症状が改善。都の担当者は「ワクチン未接種でも、抗体カクテル療法に効果があることが改めて確認できた」としている。