福岡県宗像市の民家でポリ袋に包まれた男性の遺体が見つかった事件で、この家の住人で、連絡が取れなくなっていた兄弟のうち弟(58)が9日朝、県警宗像署に出頭したことが捜査関係者への取材でわかった。遺体は兄(59)とみられ、弟は「自宅で兄を遺棄した」などと供述しているという。県警は容疑が固まり次第、弟を死体遺棄容疑で逮捕する方針。
県警の発表などによると、遺体は8日午前10時40分頃、宗像市自由ヶ丘8の民家で、強制執行のために訪れた裁判所の執行官らが見つけた。民家は競売物件で、取得した佐賀県内の不動産会社が兄弟と連絡がつかず、家の中の荷物などが出せなかったため、強制執行を依頼していた。遺体はポリ袋に包まれた状態で2階押し入れの中から見つかり、腐敗などの状況からかなりの時間が経過しているとみられる。
捜査関係者によると、弟は遺体が見つかる前の3日にも自宅で執行官らと面会しており、その際、すでに押し入れの中にポリ袋が同じ状態で置かれているのが確認されていた。執行官らはこの時は遺体とは気付かなかったという。一方、弟は執行官に「兄とは年に1、2回会うかどうかで、今どこにいるかわからない」などと話していたという。
弟は行方がわからなくなる前後に口座から現金を引き出していたことも確認されており、県警は弟が何らかの事情を知っているとみて行方を捜していた。