台風14号、異例の列島横断…南北の高気圧の間が「通り道」に

台風14号が東シナ海で数日間停滞した後、日本列島を横断する異例の進路をたどっているのは、進路を阻んでいた南北二つの高気圧の間に「通り道」ができたためだ。今後、太平洋側の高気圧に沿うように真東へ進むと予想されるが、移動速度が遅いため広域で風水害への注意が必要となっている。
気象庁によると、14号は大陸側と太平洋側の二つの高気圧に進路を塞がれる形で、15日頃まで東シナ海で停滞した。大陸側の高気圧の張り出しが弱まったことで、東側に抜けるルートが開けた。
この時期の台風は偏西風に乗って加速するケースが多いが、今年の偏西風は例年より北側を通っている。このため、14号は太平洋側の高気圧の縁を吹く西風に流されて東進している。偏西風に乗れば時速40~50キロ・メートルで進むが、今回はそれ以下にとどまっている。
一方、当初は17日頃に勢力を弱めて温帯低気圧になると予想されていたが、実際には勢力を強めた。東シナ海の海面水温が28度ほどと高く、停滞中に多量の水蒸気を取り込んで再発達したとみられる。
慶応大の宮本佳明准教授(気象学)は「普段とは異なる台風の経路で、台風に慣れていない住民は進路や風向きに注意が必要だ。温帯低気圧に変わっても勢力が急に弱まるわけではないため、警戒を怠らないように」と呼びかけている。