酒飲んで逃げて事故、「走る凶器だ」…「何でこれが危険運転にならないんだ」娘を亡くした父親

福井市内で昨年11月、酒気を帯びた状態でパトカーの追跡から逃走中に事故を起こし、大学生2人を死傷させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた同市、元会社役員坂田達磨被告(47)の裁判員裁判で、地裁(河村宜信裁判長)は21日、危険運転致死傷罪ではなく、同法の過失運転致死傷罪を適用し、懲役5年6月の判決を言い渡した。事故で亡くなった塩崎里桜さんの父・治さん(55)(三重県)は判決後、福井市内で報道陣の取材に応じ、「これが危険運転でないなら、何が危険運転になるのか」と憤りをあらわにした。
13日の初公判では、自ら娘の無念を晴らそうと、被害者参加制度を利用して証言台に立った。この日も法廷で判決を聞いた。
危険運転致死傷罪が適用されなかったことに対しては「(被告は)酒を飲んで警察から逃げながら、アクセルも踏み込んだ。走る凶器だ。何でこれが危険運転にならないんだ」と声を震わせた。
里桜さんは、化粧品開発の仕事に就くことを夢見て、福井大に進み、福井市内で一人暮らしをしていた。来年1月には成人式も控えていたという。
「娘は今度、成人式のはずだった。まだこれから何十年も生きられたはずなのに」と無念をにじませ、「被告はなぜ、たった5年半で刑務所から出られるのか。こんな判決では、悪質な飲酒運転がなくならない」と語気を強めた。