日本海にまた大量エチゼンクラゲ、一つの網に1000匹も…09年には漁業被害100億円

深刻な漁業被害をもたらす大型クラゲ(エチゼンクラゲ)が日本海沿岸に大量に押し寄せている。8月以降、一つの漁網に約1000匹がかかるケースも確認され、甚大な被害が出た2009年以降で最大規模になる恐れがある。漁業関係者が警戒を強めている。
エチゼンクラゲは、春に中国沿岸で発生し、海流に乗って夏頃から日本近海に到達する。世界最大級のクラゲで、傘の大きさが2メートル、重さが200キロに達するものもあり、漁網を破損させたり、網の中で魚に付着して鮮度を落としたりする。09年に大量に出現し、全国の漁業被害額は推計約100億円に上った。
一般社団法人「漁業情報サービスセンター」(東京)によると、近年の日本近海では、漁網にかかるのは10匹程度だった。しかし、今年は8月下旬に島根県・隠岐諸島沖の定置網で約1000匹がかかったほか、長崎県から青森県までの広範囲で確認され、例年より大型の個体が目立つという。
福井県沖では8月中旬以降、若狭湾を中心に数十~数百匹が確認され、今月7日には約800匹が定置網にかかる被害があった。
福井市の

越廼
(こしの)漁協でもサワラやアジの定置網漁に影響が出た。川端元昭組合長(64)は「網から取り除くのに手間がかかる上、触手が魚に触れると変色して傷んでしまい、売り物にならなくなる」と嘆く。
県内では09年の大量出現時、定置網に数千~数万匹がかかり、大半の定置網が12月までの漁期を半月早めて休漁し、カニ漁にも影響が出た。今年は網が壊れる被害は出ていないが、県は今月8日、漁業関係者らを交えた「大型クラゲ対策連絡会議」を開催し、警戒を呼びかけた。
石川県でも、今月5日に約400匹の大型クラゲが定置網にかかる被害があり、漁業関係者に状況を随時伝えているという。
水産庁はクラゲを駆除する経費を補助しており、今月10日現在、福井、兵庫など6道県から申請があるという。同庁は「今後の状況を見極め、適切な支援をしていきたい」としている。
上真一・広島大特任教授(海洋生態学)の話「中国沿岸の2月の水温が高いと、日本でエチゼンクラゲが大量に出る傾向があり、今年も中国沿岸で2月の水温が高かった。今月中旬以降は出現が落ち着きつつあるが、生態はよくわかっておらず、今後も注視する必要がある」