都民ファーストの会、衆院選へ国政新党設立 第三極構想「小池マジック」ある!?

東京都議会に会派を持つ地域政党「都民ファーストの会」代表の荒木千陽都議(39)らが3日、都内で会見し、次期衆院選での国政進出に向けた新党「ファーストの会」設立を発表した。党の創設者で、特別顧問を務める東京都の小池百合子知事(69)は衆院選不出馬を明言しているが、2017年衆院選では「希望の党」(解党)を結党した経緯があり、サプライズを警戒する声も。都内を中心に数十人規模で候補者を擁立する予定で、与野党以外の第三極として注目を集めそうだ。
会見には代表の荒木氏と、総務会長の入江伸子都議、広報本部長の龍円愛梨都議が出席した。小池氏の勝負カラーでもあるグリーンのセットアップを着用した荒木氏は、「ファーストの会」と書かれたボードを掲げ、「このまま都政にとどまっていては、東京の未来も、地方の未来も、日本の未来も、切り開くことができない」と新党設立の理由を説明した。
「国民ファースト」「情報公開」「賢い支出」「持続可能性」という都民ファから踏襲した4つの原則を基軸に、東京の25小選挙区全てで擁立を目指す意向だが、3日時点では未定。「志が同じであれば政党に限らず協議したい」と述べ、個人や他党との連携も示唆した。国民民主党との連携については「具体的な要請をしていることはない」と述べるにとどめた。
注目されるのは特別顧問を務める小池氏とのつながりだ。小池氏は1日、「国政については関知していない」「次の衆院選に出馬する意思も意図もない」と衆院選への出馬を否定した。荒木氏は会見で「私たちから出馬の要請はしていない」としたものの、「結党に向け特別顧問にも相談をしていた。当然ながら、小池知事に応援や相談をする」と明言。党名も小池氏と決めたと説明し、党役員就任についても「その可能性は排除していない」と述べた。
ただ、周辺によると、小池氏は新型コロナウイルスへの対応や東京五輪・パラリンピックの財政負担についての協議が残り、時間的な猶予などがないことから、自身の国政進出には消極的という。17年衆院選で小池氏は「希望の党」を旗揚げし、注目を集めたが、自らの発言などが影響し、急失速した経緯もあり慎重な姿勢を崩していない。
それでも、周辺は「全国規模での候補者擁立は難しいが、都内に限れば、自公ともに地盤が弱い。国政に足場を作ることは重要だ」と今回の国政新党設立の意義を語る。小池氏にとって、永田町とのパイプ役だった自民党前幹事長の二階俊博氏が事実上、失脚したことも影響したとみている。
7月の都議選で都民ファの議席は1ケタの可能性もあったが、小池氏は体調不良による療養から選挙戦最終盤で応援演説にサプライズ復帰。自民党の33議席に次ぐ31議席を獲得し、存在感を見せつけた。小池氏の出方次第では今後、衆院選の第三極として台風の目となる可能性もありそうだ。(瀬戸 花音)
■選挙コンサルティング会社「ジャッグジャパン」代表の大濱崎(おおはまざき)卓真氏 「自民党も嫌だ、野党も嫌だ」という人が、第三極に票を入れる構図が出来上がったと判断しての設立とみている。自民寄り、保守寄りと思うので、与党にとっては有利、野党には不利になる。野党からすれば、国民民主(国民)を除いた立民、社民、れいわの共闘が出来上がって、(与党との)一騎打ちに持ち込むことを目指していたのに、比例の票が減る危惧が出てきた。これは選挙ではマイナスに働くと思う。
国民との連携のほか、前埼玉県知事・上田清司氏の新党や大阪維新の会、名古屋市の河村たかし市長、元神奈川県知事の松沢成文さんの名前も永田町では出てきている。横のつながりを広げて、第三極の立場をどれくらい作っていけるか。
小池さんは直前まで何をするか分からない人だが、出馬に慎重なのは自身の後任が育っていないのも大きい。10月10日の政党助成交付金の基準日(議員数などで算定する)に向けて、現職議員の引っ張り合いが始まる。そこで、自分の中で(他党との)勝敗を考え、第三極で戦えると踏んだら直前でも知事を辞めるのではないか。