和歌山市の水管橋崩落・断水で支援続々

和歌山市の紀の川に架かる「六十谷(むそた)水管橋」が崩落し、大規模断水が発生している問題で、水に困る市民に対し、さまざまな支援の輪が各地で広がっている。容器を無料配布したり、24時間給水可能な井戸水を開放したりと、方法もさまざま。利用する市民からは感謝の声が上がる。
和歌山県海南市の老舗酒造会社「中野BC」では、本社内にある売店で、水を保管する容器代わりとなる大容量ペットボトル(2・7リットル)の無料配布を始めた。
橋の崩落は3日に発生。大規模断水の影響は市北部の約6万世帯約13万8千人に及んでいる。
社員の間から「何とかできないか」と声が上がり、商品に使用している焼酎などの容器に使う大型ペットボトルに着目。無料配布することを決め、ホームページや会員制交流サイト(SNS)で情報を発信した。
1人3本までのルールだが、5日午前10時から無料配布を始めると、市民が次々と訪れ、正午までに約30人が受け取った。
断水地域では応急給水所が設けられているが、「水を入れる容器がない」と訴える市民もいる。
無償提供を受けた和歌山市の会社員、島幹生さん(51)は「ポリタンクも売り切ればかり。洗濯や洗い物、トイレ用など、生活用水を入れるうえで、(ペットボトルは)もってこい。本当に助かります」と喜んだ。
同社の担当者は「お困りの方は遠慮せずお越しください」と呼びかけている。問い合わせは同社(0120・050・609)。
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和歌山市本町の「善称寺」では崩落発生翌日の4日から、境内にある井戸水を生活用水として提供している。境内は24時間開放しており、いつでも利用できる。手押しポンプと蛇口で水をくむことができる。
宇治田真宣住職(45)が「困っている人がいれば利用してもらおう」とSNSで発信。飲料には適さないが、それ以外の生活水として活用できる。
和歌山市園部のアルバイト、西康子さん(41)はSNSのツイッターで知り、親族の男児と一緒に訪れた。井戸水はトイレに使うという。この日は寺を含めて複数の応急給水所を回ったといい、「24時間いつでも来ることができるのは本当に助かります。断水が解消してもらわないと体力的にも大変…」と話していた。
喜んで井戸水を持ち帰る市民の姿に、宇治田住職は「遠慮することなく、気軽に使っていただければ」と話す。
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そば・うどんなどを手掛ける「信州そばうどん信濃路」(和歌山市)は、鳴神店▽四ヶ郷店▽国体道路店▽岩出バイパス店▽秋葉店▽海南店―で、水に困る市民を対象に駐車場の水道を無償提供。トイレも開放している。
同社は「店があるのも地域の皆さまがあってこそ。この機会に恩返しをしたい」と話している。(藤崎真生)