旧大口病院連続死事件 元看護師「人をあやめている認識なかった」

横浜市の旧大口病院で2016年9月、入院患者3人の点滴に消毒液を混入して中毒死させたなどとして、殺人などの罪に問われた元看護師の久保木愛弓(あゆみ)被告(34)の裁判員裁判が12日、横浜地裁(家令和典裁判長)で開かれ、検察側の被告人質問があった。久保木被告は事件当時の心境について「警察の捜査が入るまで人をあやめているという認識はなかった」と述べた。
久保木被告は、点滴に消毒液を混入する行為について「悪いことをしている認識はあった」としたが、3人目の被害者の八巻信雄さん(当時88歳)が死亡して警察の捜査が入るまで殺人にあたるという認識がなかったとした。その後、「大変なことをしてしまった」と事態の重大さに気づき「自分のしてしまったことが恐ろしかった」と思うようになったという。
一方、最初の被害者となった興津朝江さん(当時78歳)の事件の前に消毒液を混入したことがあるかと尋ねられると、久保木被告は「話したくありません」と回答を拒んだ。
この日は検察側の質問に対して「わからない」「覚えていない」と繰り返すことが多かった。検察側から警察や検察の供述調書の内容を指摘されると「(調書に書いてあるなら)そうだったと思う」などと応じた。消毒液の混入に後悔やためらいがあったとする供述調書の内容に関しては「自分の願望が入っていた」とし、正確ではないとした。
また、旧大口病院に就職した当初は夜勤が月5回程度だったが、徐々に増え、事件当時は月8回の頻度だったという。家令裁判長から「体調が芳しくなかったことは夜勤が多かったことが要因なのか」と問われ「そうだと思う」と話した。
起訴状などによると、久保木被告は16年9月、入院患者の70~80代の男女3人の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入して殺害。また、未使用の点滴袋5袋に消毒液を混入して殺人の準備をしたとされる。【洪香、池田直】