自民党の高市早苗政調会長が、衆院選(31日投開票)でも強い存在感を発揮している。総裁選で「党内屈指の保守派」として知名度を高め、全国の選挙区から応援依頼が殺到しているのだ。公示日の19日は、東京や埼玉の選挙区を駆け回り、多くの聴衆が押し寄せた。怒濤(どとう)の1日に密着した。 (報道部・松村友二)
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「北朝鮮が今朝、ミサイルらしきものを(日本海に)発射しました。官邸も防衛省も大変な状況です。日本の周りに存在するリスクに、しっかりと対処しなければ、私たちの命も暮らしも守れません」
高市氏は19日午前11時すぎ、雨のあがったJR綾瀬駅東口(東京都足立区)でマイクを握り、100人以上の聴衆に向かって、国民の生命と財産を守り抜く覚悟を訴えた。
聴衆からは、「そうだー」「頑張れー!」などと声が飛んだ。
高市氏は7日に、千葉県北西部を震源とする地震があり、東京23区でも震度5強の強い揺れを観測したことから、国土強靱(きょうじん)化の重要性も説明し、自らを「日本を守る高市早苗」と訴えた。
演説後には、集まった有権者らとの肘タッチや写真撮影に応じた。
記者が合間に意気込みを聞くと、こう語った。
「今日から選挙戦スタートです。12日間、全国を駆け回ります。1人でも多くの同志を勝たせたい」「ただ、(応援演説で地元入りできず)自分の選挙区がすごく心配」
高市氏は同日昼すぎ、東武スカイツリーラインの獨協大学前駅西口(埼玉県草加市)に姿を見せた。到着に気付いた聴衆の多くがカメラを向ける人気ぶりで、200人以上が演説に注目した。
「『いの一番(に駆け付けてくれた)』って紹介されたんやけど、2番目(=この日の2カ所目)」と、コテコテの関西弁で話すと、その気さくさに会場は大盛り上がり。
そのうえで、新型コロナウイルスの反省点として、日本のサプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘し、「昨年1月時点で、マスクの7割は中国から輸入していた。注射器や人工呼吸器など(も不足した)。生活、医療、産業に必要な物資を、国内で調達できる態勢を作っていく。これが力強い日本を作る第一歩です」と訴えた。
野党共闘について、「立憲民主党と共産党が組んだが、旧民主党政権の『内政と外交の混乱』を繰り返してはいけない」と語ると、この日一番の拍手喝采を浴びた。
演説後には、人だかりができ、記念撮影だけでなく、即席のサイン会まで行われた。人々からは「高市さん見れたー」「写真撮れたー」といった声が聞かれた。
その後、JR桶川駅前(埼玉県桶川市)での応援演説を挟んで、同日午後5時すぎには、東京都江戸川区で、自民党候補の出陣式に参加した。
同区は、区域の7割以上が「海抜0メートル」のため、高市氏は防災に財源を充てる重要性を語った。
さらに、小松菜の発祥地であることを挙げ、農林水産技術の海外展開が投資になると訴えた。
すっかり、「選挙の顔」となった高市氏。6時間ほどで約100キロを移動した公示日だった。