在留ベトナム人同士の誘拐・監禁事件が全国で相次いでいる。監禁して借金の返済を迫ったり、母国の親族らに身代金を要求したりする手口で、新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年から急増。外国人技能実習生として来日したベトナム人らが生活に困り、金銭トラブルから事件を引き起こしているとみられる。
愛知県一宮市にある集合住宅の一室。県警の捜査員が踏み込むと、ベトナム人の男性6人が鎖で足首をつながれるなどして、拘束されていた。5月9日夜のことだ。いずれも借金があり、「家族に連絡して払え」と脅されていた人もいた。
県警は、別のベトナム人の男8人を逮捕。このうち監禁罪などで起訴された3人に対し、名古屋地裁は今月12日、有罪判決を言い渡した。被害男性の一人は賭博のために、主犯格の男から約90万円を借りていた。
同様の事件は各地で起きている。静岡県警は1月、技能実習生を連れ去り、250万円を要求したとして6人を逮捕した。広島でも6月、男性を監禁して31万円を脅し取ったとして12人が逮捕された。
今年1~9月、営利目的や身代金目的の略取・誘拐容疑で逮捕されたベトナム人は少なくとも42人。警察庁によると、2019年までの10年間、同容疑での摘発はゼロだったが、昨年は10人となった。
捜査関係者によると、被害者の多くは他のベトナム人から金を借りていた。コロナ禍で仕事を失ったり、ベトナム人の間で行われている賭博にのめり込んだりしたケースが目立つ。