バイクで火口方面に向かっていたら「ドン」、目の前に黒く大きな噴煙…「恐ろしさ感じた」

阿蘇山の中岳第1火口で噴火が発生し、噴火警戒レベルが5年ぶりに「3(入山規制)」に引き上げられた20日、近くで噴煙を目撃した人たちは驚きの声を上げ、熊本県高森町などでは降灰も確認された。臨時で記者会見した熊本地方気象台は「自治体の指示に従い、危険な地域には立ち入らないでほしい」と警戒を呼びかけている。
三重県松阪市から一人でツーリングに来ていたラーメン店経営の男性(39)はオートバイで火口方面に向かっている途中、「ドン」という大きな音を聞いた。車輪が何かを踏んだ音かと思ったが、すぐに目の前に黒く大きな噴煙が一気に立ち上ったという。
近くの橋で工事をしていた作業員に「もう作業をやめて、山を下りた方がいいですよ」と声をかけ、Uターンし、来た道を戻った。
「火山の恐ろしさを感じた。火山灰がこっちの方に来なくて良かった」と興奮した表情で話した。
阿蘇市のJR阿蘇駅構内にある市観光協会の案内所に勤める男性職員は、高く上がる噴煙を窓から目撃した。火口から直線距離で約5キロ。「とにかく驚いた。噴煙がこんなに高く上がるとは思わなかった」と話し、観光客からの問い合わせ対応に追われた。
阿蘇山から5キロほど離れた南阿蘇村の「くまもと阿蘇カントリークラブ 湯の谷コース」は2016年の熊本地震でグリーンが地割れするなどして営業休止に追い込まれ、昨年5月に営業を再開したばかりだった。担当者は「今のところ、噴火による営業への影響はない。大きな被害がでなければいいが……」と不安そうに話した。
火口から南東側にある高森町上色見の漬物店では、敷地内に火山灰が積もった。若

女将
(おかみ) (33)は「雨のような音がして外に出たら火山灰が降っていた。今回の灰は粒が大きい。風評被害が心配で、高森は大丈夫と伝えたい」と語った。

熊本地方気象台は20日午後、臨時の記者会見を開催。中岳第1火口から約2キロの範囲で、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒するよう注意を呼びかけた。
気象台によると、噴煙は火口から3500メートルまで上昇し、20~30センチ以上の大きな噴石が南方向に900メートル飛散したことが確認された。その後も断続的に噴火が続いた。
火口から約2キロの範囲には居住地は含まれていない。ただ、火山灰や小さな噴石は風により遠方に降るおそれがあり、風下の地域では注意が必要となるという。