【衆院選2021年秋】“当落線上”魔の3回生・67人 相次いだ不祥事、安倍政権時の追い風なし 「野党共闘も向かい風に」識者

「魔の3回生」-。2012年に初当選した当選3回の自民党前職には、これまで不祥事が相次いだことから、このようなレッテルを貼られている。ただ、岸田文雄内閣には3人が初入閣するなど、将来を期待される面々もいる。今回の衆院選(31日投開票)には、自民党から67人(本紙調べ)が立候補するが、多くが当落線上におり、必死の選挙戦が繰り広げられている。生き残りをかけた、負けられない戦いに注目した。

「気を付けよう、暗い夜道と3回生」「これまでは追い風の順風な選挙だったが、今回は初めて順風ではない」
麻生太郎副総裁は衆院選の公示前、麻生派(志公会)の会合で、こう活を入れていた。
自民党が政権奪還した12年衆院選を党公認で初当選した議員には、「不倫」「失言」「秘書への暴言」「金銭トラブル」などの不祥事が相次いだ。17年の新語・流行語大賞のトップテンには「魔の2回生」が選ばれ、離党や議員辞職した面々もいる。
今回4選を目指す「魔の3回生」は67人。一部には、74人とする報道もあるが、本紙は自民党公認として12年衆院選で初当選して、3期連続で衆院議員を務めた候補に絞った。
この中には、岸田文雄内閣で初入閣した千葉2区(千葉市の一部、習志野市など)の小林鷹之経済安全保障相(46)、神奈川17区(小田原市など)の牧島かれんデジタル相(45)、山梨2区(富士吉田市、都留市など)の堀内詔子ワクチン担当相(56)など、地道に努力してきた人物も多い。
一方で、秘書が車検切れの車で当て逃げとみられる事故を起こしたり、秘書が女性のスカートの下に携帯電話を差し向けたとして迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された人物もいる。
夕刊フジでは、最新の世論調査や情勢調査のデータをもとに、「魔の3回生」の現状を分析した。67人のうち、「やや優勢」は29人だけで、「やや劣勢」が38人となった。約56%が落選危機といえる。あくまで選挙区の情勢であり、比例復活は含まない。
政治評論家の小林吉弥氏は「一般的に『選挙は2回目が難しい』とされるが、安倍晋三元首相時代の追い風に乗って連続当選できたため、今回は2回目の延長線上だ。野党共闘も彼らには向かい風になっている。地元で地道に活動することを怠けている候補には、厳しい結果となるだろう。以前であれば、各派閥が当落線上にある候補をこぞって応援したが、今は『育てよう』という動きは少ない。『魔の3回生』の多くが安倍チルドレンであるため、結果次第では党内の権力構造が変化する」と分析した。
■千葉・神奈川・山梨 3県注目選挙区
【千葉2区】 寺尾 賢45 共産新 小林鷹之46 自民前 黒田 雄62 立民元
【神奈川17区】 牧島かれん45 自民前 神山洋介46 立民元 山田 正70 共産新
【山梨2区】 市来伴子44 立民新 大久保令子71 共産新 堀内詔子56 自民前