他人のクレジットカード情報で商品を不正購入したとして警視庁に摘発されたグループが、SNS上で「荷受け代行」のアルバイト募集と称し、商品受け取り役を約300人集めていたことが捜査関係者への取材でわかった。不正への加担で逮捕されたり、個人情報を悪用されたりした人もおり、警視庁が注意を呼びかけている。
「借金が500万円あり、楽して稼ぎたかった」。10月7日、不正購入に関与したとして窃盗容疑などで逮捕された東京都内の派遣社員の男(34)は調べに、そう供述したという。
捜査関係者によると、グループは2019年頃から、他人のクレジットカード情報を使って通販サイトでスマートフォンなどを不正購入。「荷受け代行」のアルバイトの自宅に配送させ、回収して売却・現金化していた。約2年間に計約2億円を得たとされる。
男は昨年3月、SNSで「楽して稼げる荷受け」との募集を見つけて応募。家に届いた商品を指定先に転送し、1点あたり500~1000円の報酬を得ていた。数週間後、グループから「商品の回収役をやらないか」と持ちかけられて応諾。商品を転送先から回収し、買い取り業者に持ち込んで売却していた。
男は不正購入した商品であることを知っており、10月27日に窃盗罪などで起訴された。約300人は北海道から沖縄県に住む20~60歳代の男女で、このうち男を含む計12人が不正への加担で逮捕された。
荷受け代行は15年頃から、手軽な副業として若者や主婦らの間で広まったが、募集者が犯罪グループであるケースが後を絶たない。
多くの場合、アルバイトには、不正購入した商品であることは知らされない。このため、警察が商品配送先のアルバイト宅を特定しても、アルバイトを逮捕するのは難しい。
アルバイトは指示役らとSNSでやりとりし、本名などは知らないため、捜査の手がすぐに指示役らに伸びることもない。アルバイトは、犯罪グループに都合良く利用されている形だ。