【日本の選択】結果をみれば「野党共倒」だった衆院選 推進した政治家は国民の声を謙虚に受け止めよ

衆院選前に、メディアではさかんに「野党共闘」が強調されてきたが、結果をみれば「野党共倒」と呼んだ方が正確だったはずだ。自民党も議席数を減らしたが、立憲民主党、共産党もともに議席数を減らした。
一方、共産党を含む候補者調整を拒絶した国民民主党は議席を増やし、野党共闘とは完全に距離を取った日本維新の会は議席を激増させた。
共産党に対してアレルギー反応があるのは、「日本国民の良識」といってよい。国防に関していえば、「日米安保破棄」「自衛隊は違憲(=解消)」との共産党の認識では、厳しい国際情勢の中、日本が生き抜いていくことができない。このような政策を実行すれば「日本は中国に飲み込まれる」だけだろう。
また、日本の根幹に関わる「天皇」についても、共産党の認識は受け入れがたい。かつてのように「天皇制打倒」を呼びかけはしないが、天皇陛下の存在は民主主義と両立しないとの認識(=党綱領『一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく…』)を共産党は示している。
多くの日本国民の常識からかけ離れている。目先の票欲しさに共産党と共闘した、枝野幸男代表(=辞意表明)率いた立憲民主党の執行部の判断は強く非難されてしかるべきだ。
共産党の志位和夫委員長は1日の記者会見で、敗北の責任を負うのか記者に尋ねられた。このときの志位氏の答えからは、共産党の独善性を垣間見ることができる。
志位氏は「間違った政治方針をとった場合は責任が当然出てくる」と述べた。まるで責任を認めるかのような発言だが、この後に驚くべき言葉が続く。
「残念ながらこういう結果になったが、方針そのものは正確だったと確信を持っている。そういう点で私は責任ということはないと考えている」
国民の審判が下ったわけだが、自分たちの掲げた「野党共闘」の方針は間違っていないというのだ。まるで「間違ったのは国民である」とでも言いたげな発言だが、あまりに国民の意思を侮辱していないだろうか。
ソ連をつくり上げた共産主義の指導者レーニンは、極端な愚民思想の持ち主であった。国民は自分たち自身で状況に応じて正しい解釈をすることができない。だから「前衛」として共産主義者がその愚かなる国民を善導してやらねばならぬというのだ。この愚民観が極端な独裁主義を生んだことは周知の通りである。
国民が野党共闘に懐疑的であることは選挙結果から明らかだ。売れないラーメン屋の店長が「わが店のラーメンは世界で一番おいしい。理解できない客が悪い」と言い始めれば、その店は潰れるだろう。「野党共闘」を推進した野党政治家は国民の声を謙虚に受け止めるべきだ。
■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部准教授。専攻は政治哲学。著書・共著に『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)、『なぜ彼らは北朝鮮の「チュチェ思想」に従うのか』(扶桑社)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。