顔や首のたるみの予防を目的としたレーザー照射治療で女性患者に大やけどをさせたとして、大阪府警が美容クリニック「ヴェリテクリニック大阪院」(大阪市)を業務上過失傷害容疑で家宅捜索していたことが明らかになった。クリニックの医師は女性に麻酔をかけた後、看護師2人に治療を任せて別の手術をしていたとみられる。一定程度の治療は看護師に任せることができるが、府警は医師による適切な指示があったかどうかなど、実態解明に向けて捜査を進めている。
女性の代理人弁護士によると、やけどした女性は2021年1月28日、二重あごの予防のためにレーザー治療を受けたが、首や顔の広範囲に加療6カ月を要する2~3度熱傷の傷害を負った。
切らずにしわとたるみを治療できるレーザー照射機器が使われたが、医師が個人で輸入した未承認の医療機器だった。表皮より深い真皮層や脂肪層に高周波を照射し、コラーゲン線維を熱で収縮させることで効果が出るなどとして知られるが、医師の厳格な管理下で使う必要がある。
しかし、医師は女性に静脈麻酔をした後、看護師に従前と同じ治療をするよう指示し、隣室である別の手術のために退室。レーザー照射は看護師2人に任せられ、医師は立ち会わなかったとみられる。
照射は冷却しながら行い、首の部分は顔よりもレーザー出力を下げるなどの注意点があったとされるが、看護師はこうした情報を伝えられていなかったとみられる。
府警は既にクリニックを家宅捜索。関係資料などを押収するとともに、医師や看護師らから事情を聴くなどして捜査を進めている。クリニックを運営する医療法人は「取材には答えられない」と話した。【田中謙吉、澤俊太郎】