雲仙・普賢岳の溶岩ドーム、崩落の危険も 噴火31年で防災登山

雲仙・普賢岳の噴火から31年となるのを前に、九州大地震火山観測研究センター(島原市)の研究者らによる「防災登山」が15日にあり、噴火で誕生した山頂付近の溶岩ドーム(平成新山)の状況を調査した。
防災登山は一般に立ち入りが制限されている警戒区域に入って溶岩ドームの変化などを調べ、情報共有するのを目的に同センターなどが毎年春と秋に実施。今回は行政や消防、警察、報道関係者ら約90人が参加した。
研究者らは山頂(1483メートル)付近で溶岩ドームから立ち上る噴気の温度を計測。1995年には700度以上に達したが、近年は90度前後まで下がっており、この日は91・2度だった。気象庁の担当者は「地震活動は低調な状態が続いている」と説明した。
ただ、ペイペイドーム(福岡市)約53杯分に当たる1億立方メートルと推定される溶岩ドームは今も島原市側に少しずつずり落ちており、崩落の危険性が指摘されている。
同センターの清水洋特任教授は「特に東側斜面にへばりついている溶岩ドームが崩落すると危険だ。大きな地震などで崩れる恐れがあり、最悪の場合は有明海まで達する可能性もある」と警鐘を鳴らした。
普賢岳は90年11月17日、198年ぶりに噴火。その後、マグマが冷え固まって形成された溶岩ドームが崩れて何度も火砕流が発生し、91年6月3日の大火砕流では地元消防団員ら43人が犠牲になった。今も溶岩ドーム周辺の952ヘクタールは警戒区域に指定され、立ち入りが禁止されている。【西嶋正法】