大阪府大阪狭山市のスーパー「コノミヤ狭山店」の店先で乗用車が暴走し、男女3人が死傷した事故で、現場の路面に車のブレーキ痕が見つかっていないことが、捜査関係者への取材でわかった。府警は、無職の男(89)が適切にブレーキをかけられず3回にわたりペダル操作をミスしていたとみて調べる。
府警は19日午前、男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で大阪地検堺支部に送検した。事故は、17日午後0時10分頃に発生。男の運転する車が、スーパーの店先で無職岡田博行さん(87)と女性(77)をはねた後、入り口付近に衝突。後退中に男の妻(90)をはねて街灯に当たり、さらに再前進して店の壁にぶつかった。岡田さんが死亡し、女性と妻は重傷を負った。
捜査関係者によると、現場付近の路面には急ブレーキをかけた際に残る痕が見つからず、防犯カメラの映像などから、暴走時には車は加速を続けていた可能性が高いという。
男は調べに「停車したつもりが車が進み出した。ブレーキが甘いと思い、間違ってアクセルペダルを踏み込んだ」と供述。府警は、最初のアクセルの踏み間違いで動転し、後退と再前進の際にもペダル操作の誤りを繰り返したとみて調べている。