「共産と共闘」歯切れ悪い4氏…立民代表選、泉氏の対応に注目

立憲民主党代表選は30日の投開票に向け、逢坂誠二・元総務政務官(62)、小川淳也・元総務政務官(50)、泉健太政調会長(47)、西村智奈美・元厚生労働副大臣(54)による論戦が始まった。19日の共同記者会見では、主要な争点である共産党との共闘を巡り、歯切れの悪い発言が目立った。
「野党が候補者を一本化していく努力は必要だ」
共同記者会見で共闘路線の是非を問われた小川氏は、こう述べた。ほかの3氏も「(来年夏の参院選の)1人区で一本化を目指すことは明確にしたい」(泉氏)などと追随した。しかし、政権交代を実現した場合、「限定的な閣外協力」するという共産との合意については、4氏とも評価を避けた。
衆院選では共産が候補者を下ろし、多くの小選挙区で「与野党1対1」の構図が生まれた。結果にはつながらなかったものの、共産との協力に懐疑的な保守系議員の間でも「一本化したことで接戦に持ち込めた選挙区は少なくない」と評価する声が大半だ。
問題は政権交代後の枠組みだ。枝野幸男前代表が進めた「限定的な閣外協力」路線については、党内で賛否が分かれている。「選挙で協力を得る以上、政権への協力も否定できない」と容認論がある一方、保守系議員らは「共産が表に出すぎて結果的に離れた票が多かった」と慎重だ。4氏が共産との距離感を曖昧にするのは、こうした党内事情があるためだ。
今後の議論で注目されるのは、旧国民民主党出身者ら保守系議員を支持基盤とする泉氏の対応だ。
泉氏は19日の記者会見で、衆院選惨敗の理由について「『野党政権』といった言葉はあったが、比例選で立民への投票を呼びかける活動が遅れた」と述べ、共闘路線への不満をにじませた。衆院選では共産に配慮し、比例選で立民への投票の訴えを自重した例があったという。
泉氏を支持する議員の中には、共闘路線見直しを明確に打ち出すべきだと主張する向きもある。「路線対立を表に出せば、党の分裂につながりかねない」(党職員)との懸念もある中、泉氏がどこまで踏み込めるかは不透明だ。

過半数獲得で決定

立憲民主党の代表選は、国会議員140人の280ポイント(1人2ポイント)、来夏の参院選に出馬予定の公認候補予定者6人の6ポイントと、地方議員143ポイント(比例配分)、党員・サポーターズ143ポイント(同)の計572ポイントで争われる。半数を上回る287ポイント以上を獲得した候補が代表に選出される。
該当者がいなかった場合は、上位2人の決選投票となる。国会議員が1人2ポイント、公認候補予定者と47都道府県の代表が1人1ポイントを持ち、計333ポイントで争われる。