静岡県長泉町の自宅で同居する義母を殺害したとして殺人罪に問われた長泉町下土狩、無職、諏訪部麻衣被告(33)の裁判員裁判の論告求刑公判が25日、地裁沼津支部(菱田泰信裁判長)であった。検察側は「結果は重大。犯行は非常に危険で悪質」として懲役18年を求刑した。一方、諏訪部被告は「私は犯人ではありません。無実の私が塀の中にいて、犯人は塀の外でまだ捕まっていない。私は裁判所を信じています」と涙ながらに無実を訴えた。判決は12月3日。
起訴状によると、諏訪部被告は2020年3月10日、自宅で義母の諏訪部則子さん(当時69歳)の胸などの複数を突き刺し、死亡させたとされる。
検察側は論告で「自宅の洗濯乾燥機や台所ごみ袋から見つかった衣服は血の付着があり、犯行に使われた着衣。凶器の包丁は自宅で使われていたもの。被告が犯人と強く推認される」と説明した。
一方、弁護側は「先入観に基づく冤罪(えんざい)事件。衣類が犯行着衣ならば、より大量の返り血を浴びているはず。包丁は台所に立ててあり、第三者でも持ち出せた。被告は真犯人を目撃している。リビングで発見された布巾から家族3人のいずれでもないDNA型が検出されており、真犯人の痕跡」と無実を主張した。
諏訪部被告は最後に「おかあさん(義母)と夫と3人で暮らした8カ月はとても幸せでした。どうか法の尊厳を守ってください」と裁判官らに訴えた。【石川宏】