夢が実現、障害者がタクシーに絵を描くことに 北海道の青山さん

北海道東神楽町にある障害者の就労支援事業所「ゆい・ゆい本舗」で働く青山雄一さん(34)が、本物のタクシーに絵を描く夢を実現させる。ラジオコントロールカーに描いた温かみのある絵が全国的な話題となったことをきっかけに支援の輪が広がった。青山さんは現在、廃車の車体を使って予行演習中。順調に準備が進めば、来月には青山さんの絵が車体に描かれたタクシーが街を走る。
他人とのコミュニケーションが不得意な青山さんは10年ほど前から絵を描き始め、大好きなタクシーやバスなどの車のほか、旭川市など身近な街の風景や太陽、星を題材にした温かみのある絵がクチコミで人気となった。さらに、本物の車に描く代わりに競技用のラジオコントロールカーの車体に描いてインターネットで発表すると、愛好家の間で評判となり、全国大会で主催者から作品を展示するブース設置を依頼されたことも。
評判が高まり、関係者の中に「夢をかなえてあげたい」との思いが膨らむ中、支援者の知り合いだった旭川市のタクシー会社「みつばちタクシー」の岸政充社長が「実際にタクシーに描いてみないか」と提案。実物の車に絵を描いたことがない青山さんが練習できるように、支援者が廃車を用意してくれた。17日から青山さんは、車体をキャンバスにして画材を試しながら、さまざまな絵を描きながら本番に備えている。
絵が描き終わった車体は「ゆい・ゆい本舗」に展示する予定。施設を運営するNPOの野々村雅人理事長は「青山さんの絵や夢に周りの支援者が動かされている感じがする。今回の取り組みを一人でも多くの人が知り、人の生きる可能性や優しい地域社会のあり方を感じ取ってもらえれば」と期待する。【横田信行】