【有本香の以読制毒】岸田首相、ミサイル配備し「戦」に備えよ 「日本国民一人あたりの防衛費」は諸外国に比べ貧弱な年間4万円

「国民一人あたり年間4万円」。これが何の額かお分かりだろうか。ちなみに、一人暮らし世帯の電気代は月額5000円強なのでそれよりも安い。答えは、2020年度のわが国の防衛費を人口で割った額である。 防衛省の算出によると、米国は一人あたり22万円で日本の5・5倍、オーストラリアと韓国は12万円で、日本はこの2カ国と比べても3分の1。こと国防に関して、わが国がいかに貧相な現状かを思い知らされる。 少し前の話になるが、日本の衆院選投票日の直前だった先月26日、米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」が公表した衝撃的な内容に、この現状を重ねて考えてみたい。 公表されたのは、中国軍が台湾の離島に攻め込んだ場合のシミュレーションである。具体的には、「2025年に、中国軍が、台湾の南西にある東沙諸島(プラタス諸島)に攻め込んで占領する」というシナリオで行われたものだ。結果は、米国と台湾側が「中国に東沙諸島を放棄させ、原状を回復するための選択肢はほとんど見つからなかった」という衝撃的なものだった。 国民が、国政の行方を選択するうえで、大いに参考となるはずのこのニュースは、例によって日本のメディア付近では大きな扱いにならなかった。 米国のシンクタンクが、対中国の軍事シミュレーションで悲観的な結果を公表したのはこれが初めてではない。だが、日本の政界、メディアではスルーされっぱなしである。 こうしたなか、「国を守るコスト」への国民の理解醸成の一策として、防衛省が算出したのが、「国民一人あたりの防衛費」である。昨秋の就任以来、一貫して「台湾有事」を意識した取り組みを続ける岸信夫防衛相の下での「苦肉の策」ともいえよう。 一方、新任の林芳正外相は、中国側から要請を受けたとして、自身の訪中に前向きである旨の発言をした(=21日、BS朝日『激論!クロスファイア』)。折しも、その直前(17日)には、中国海軍の測量船が、わが国の領海を“侵犯した”というタイミングでだ。 「一体何を考えているのか」と、私を含む多くの国民が怒り心頭となるなか、これにはさすがに、自民党内からも異論が出た。 佐藤正久外交部会長、小野寺五典元防衛相らは「中国や国際社会に誤ったメッセージを送ることになりかねない」と牽制(けんせい)している。 岸田文雄首相は「和戦両様の構え」のつもりかもしれないが、この時期に「政界きっての親中派」といわれる人を外相に据えた人事からして、すでに「世界に誤ったメッセージを送った」とさえ見える。
「国民一人あたり年間4万円」。これが何の額かお分かりだろうか。ちなみに、一人暮らし世帯の電気代は月額5000円強なのでそれよりも安い。答えは、2020年度のわが国の防衛費を人口で割った額である。
防衛省の算出によると、米国は一人あたり22万円で日本の5・5倍、オーストラリアと韓国は12万円で、日本はこの2カ国と比べても3分の1。こと国防に関して、わが国がいかに貧相な現状かを思い知らされる。
少し前の話になるが、日本の衆院選投票日の直前だった先月26日、米シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」が公表した衝撃的な内容に、この現状を重ねて考えてみたい。
公表されたのは、中国軍が台湾の離島に攻め込んだ場合のシミュレーションである。具体的には、「2025年に、中国軍が、台湾の南西にある東沙諸島(プラタス諸島)に攻め込んで占領する」というシナリオで行われたものだ。結果は、米国と台湾側が「中国に東沙諸島を放棄させ、原状を回復するための選択肢はほとんど見つからなかった」という衝撃的なものだった。
国民が、国政の行方を選択するうえで、大いに参考となるはずのこのニュースは、例によって日本のメディア付近では大きな扱いにならなかった。
米国のシンクタンクが、対中国の軍事シミュレーションで悲観的な結果を公表したのはこれが初めてではない。だが、日本の政界、メディアではスルーされっぱなしである。
こうしたなか、「国を守るコスト」への国民の理解醸成の一策として、防衛省が算出したのが、「国民一人あたりの防衛費」である。昨秋の就任以来、一貫して「台湾有事」を意識した取り組みを続ける岸信夫防衛相の下での「苦肉の策」ともいえよう。
一方、新任の林芳正外相は、中国側から要請を受けたとして、自身の訪中に前向きである旨の発言をした(=21日、BS朝日『激論!クロスファイア』)。折しも、その直前(17日)には、中国海軍の測量船が、わが国の領海を“侵犯した”というタイミングでだ。
「一体何を考えているのか」と、私を含む多くの国民が怒り心頭となるなか、これにはさすがに、自民党内からも異論が出た。
佐藤正久外交部会長、小野寺五典元防衛相らは「中国や国際社会に誤ったメッセージを送ることになりかねない」と牽制(けんせい)している。
岸田文雄首相は「和戦両様の構え」のつもりかもしれないが、この時期に「政界きっての親中派」といわれる人を外相に据えた人事からして、すでに「世界に誤ったメッセージを送った」とさえ見える。