自衛隊大規模接種終了 菅前首相、隊員ねぎらう「素晴らしい成果」

自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターは最終日の30日、東京都と大阪府の2会場で任務完了式典が催された。4月下旬にセンターの設置を指示した菅義偉前首相は東京会場の式典に出席し、半年間にわたる隊員らの奮闘をねぎらった。
防衛省によると、5月下旬からの接種実績は延べ約196万回で国内全体の1%程度。この間、隊員延べ約5万人と、民間の看護師や運営スタッフ延べ約22万人が協力、試行錯誤しながら接種業務にあたった。
東京会場の式典で、菅氏は「国民の期待、信頼を裏切らない、素晴らしい成果を上げていただいた。全国の自治体による大規模接種センター設置の先駆けとなり、接種率向上の後押しになった」と隊員らに感謝した。12月1日からは3回目のワクチン接種が始まるが、岸信夫防衛相は報道陣に「今のところ防衛省・自衛隊として(センターの再開を)予定していることはない」と述べた。
センターは首都圏と京阪神圏で高齢者への接種を促すために開設され、その後対象地域・年齢を順次拡大していった。1日の予約枠は最大約1万5000人。若者への接種を促すなどの目的で、当初3カ月の予定だった開設期間は2回延長された。【松浦吉剛】