【独自】山内元議員、出資企業に資金の私的流用認める「確認書」提出

羽田空港の格納庫の売買を巡る資金流用事件で、業務上横領容疑で逮捕された元参院議員の山内俊夫容疑者(74)が出資者の不動産関連会社に対し、資金の私的流用を認める「確認書」を提出していたことが捜査関係者への取材でわかった。後で返済するとして借用書も書いていたが、約2億2700万円が未返済になっているという。
警視庁は30日、このうち約1億円の業務上横領容疑で、山内容疑者を東京地検に送検した。
捜査関係者によると、山内容疑者が実質経営する合同会社「羽田空港格納庫」(東京都渋谷区)が2018年春、格納庫の購入資金などとして、高松市の不動産関連会社「マルナカホールディングス」から28億円の出資を受けていた。
このうち2億8000万円は、格納庫の前所有者が滞納した土地使用料分として別の社団法人の口座で保管されていたが、山内容疑者は2億円以上を無断で引き出し、個人的な土地購入費などに充てたという。
格納庫の転売話が進まないことを不審に思ったマルナカ側が19年春頃、山内容疑者に状況を照会。山内容疑者は当初、「資金は前所有者の弁護士が預かっている」と虚偽の説明をしたが、その後、私的な流用を認め、同7月に確認書と借用書を提出していた。
逮捕後の調べに、山内容疑者は資金の流用を認め、「格納庫の転売が成功すれば返金するつもりだった」と供述している。