介護していた夫を包丁で刺して殺害したとして殺人罪に問われた仙台市宮城野区福室、無職佐々木美千代被告(84)の裁判員裁判で、仙台地裁は2日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。
大川隆男裁判長は「被告を信頼して生活してきた夫の命を奪った結果は重大」と述べた。一方で「自宅での介護負担は重かったにもかかわらず、周囲から十分な支援を受けていなかった。突発的に犯行に及んだ経緯は同情できる。被告の辛抱強い性格、置かれた境遇からすると、周囲に協力を求めなかったことを非難できない」とした。
最後に「自分の力ではどうにもならない困難に直面した時、周りに助けを求めるのは普通のことです。事件を振り返り、
冥福
(めいふく) を祈ってください」と語りかけた。車いす姿の佐々木被告は、小さな体を動かさずに聞いていた。
判決によると、佐々木被告は1月21日夜、自宅で寝ている夫の甲さん(当時85歳)の首と腹を包丁で刺して殺害した。被告は3日前に腰椎と胸椎の圧迫骨折と診断され、「自分が介護できなければ夫も大変だろう」と悲観し、夫を殺害して自らも死のうと決意した。