神戸市北区で5月、畑に転落した乗用車のトランクから遺体が見つかった事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された同区の鳥井翔太容疑者(28)が、被害者の男性(当時62歳)に対し、第三者から命令されているという話を持ち出して「粘着テープを付けさせて。そうしないと怒られる」と懇願していたことが、捜査関係者への取材でわかった。2人が乗った車のドライブレコーダーに音声が記録されていた。
地検は3日、鳥井容疑者を強盗致死罪で起訴した。逮捕後の鑑定留置で刑事責任能力を問えると判断したが、2人のやり取りなどから、鳥井容疑者に殺意があったとの立証は困難だと考えたとみられる。
起訴状によると、鳥井容疑者は5月5日、同区内の駐車場で当時アルバイトしていたコンビニ店の店長だった男性の顔や両手足に粘着テープを巻き、車のトランクに押し込むなどして窒息死させ、現金約13万円や車などを奪ったとされる。
捜査関係者によると、車のレコーダーには、2人の声やテープをちぎる音が記録されていた。