「安倍晋三元総理も来るというので、半年ほど前、山本先生のパーティ券を購入したのですが……」
そう嘆くのは、山本幸三元地方創生相(73)の地元、福岡県の自民党関係者だ。
旧大蔵官僚の山本氏は93年に初当選。筋金入りのリフレ派で「アベノミクスの指南役」を自任し、第二次安倍政権では地方創生相として初入閣した。当選8回を重ね、岸田派副会長も務めてきたが、先日の衆院選で落選の憂き目に遭う。
「もともと件(くだん)のパーティは6月12日、リーガロイヤルホテル小倉の宴会場で開かれる予定でした。会費は食事無しの2万円。コロナの影響で8月30日に一度延期され、その後も感染が収束しないことから、12月19日に再延期されていたのです」(同前)
ところが11月上旬、関係者の元に一通の文書が届く。そこには、落選のお詫びとともに、「山本幸三北九州セミナー」を中止する旨が記されていた。
さらに――。
「本来、向こうから返金するのが筋」
〈既にご購入賜りましたチケット代金は総選挙及び活動費として活用させていただきたく、ご理解ご了承賜りますようお願い申し上げます〉
と明記されていたのだ。
「返金を希望する者は山本事務所まで一報するよう記されていますが、本来、向こうから返金しますと謝罪するのが筋でしょう。もしくは、せめてオンラインなどで開催すべきです。あくまで、安倍さんも登場する『パーティの対価』として払ったわけですから。これでは、お金を騙し取られたようなものです」(同前)
政治団体「山本幸三後援会」の収支報告書によれば、このセミナーは毎年のように開催されてきた。例えば、19年は同じリーガロイヤルホテル小倉で6月10日に開催。1300万円の収入を得る一方、会場費として約300万円を支出し、約1000万円の儲けを出していた。今回も同程度の利益を得ると見られる。
政治資金規正法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「政治資金パーティを中止した場合、購入者が返金を望まないケース以外は議員側から返金すべきです。もし企業から受け取ったパーティ券代を返金していない場合、事実上の寄附にあたります。政党支部以外への企業献金は禁じられており、政治資金規正法に違反する可能性も高いでしょう」
総務省選挙部管理課の担当者も続ける。
「返金しない場合は寄附に当たるが、企業から政治団体への寄附はできない」
山本幸三事務所に見解を求めたところ、
「法令に従って適正に処理しているところです」
『稼ぐ! 地方創生』の著書もある山本氏だが、稼ぐだけ稼いでパーティは中止。これがアベノミクスなの?
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年12月9日号)