長野県安曇野市で今年3月、母親を刃物で暴行し、実家に火をつけて殺害したなどとして、殺人と現住建造物等放火の両罪に問われた住居不定、無職張康恵被告(27)の裁判員裁判の論告求刑公判が9日、長野地裁松本支部(高橋正幸裁判長)であった。検察側は懲役20年を求刑し、弁護側は懲役8年が相当と主張して結審した。判決は14日。
検察側は論告で、「刃物を使い、生きたまま灯油をまき、火をつけた残虐な犯行だ」と指摘。張被告に生活費を援助するなど、「母として当然のことをしていたが、一方的に恨みを募らせた。遺族の処罰感情も厳しい」と厳罰を求めた。
一方、弁護側は最終弁論で、「15歳の頃に統合失調症という不適切な診断を受け、処方されるべきではない抗精神病薬を投与された。治療から守ってもらえず憎悪が形成された」とし、「憎しみが形成された背景に同情が向けられるべきだ」と主張した。