日本大学の田中英寿前理事長(75)が所得税法違反容疑で逮捕された事件で、田中容疑者が東京地検特捜部の調べに対し、同大関連事業を巡る背任事件で起訴された医療法人前理事長らからの現金受領を認める供述を始めたことが関係者の話でわかった。受領した現金の一部は日大出身の力士らへの祝い金にあてたとの趣旨の説明をしているとみられ、特捜部が裏付け捜査を進めている。
田中容疑者は11月29日、日大医学部付属病院の建て替え計画などを巡り、受け取ったリベートなど計約1億2000万円を税務申告せず、計約5300万円を脱税した疑いで逮捕された。申告から除外した所得のうち7500万円は大阪市内の医療法人「錦秀会」前理事長・籔本雅巳被告(61)(背任罪で起訴)から受領したとされる。
関係者によると、田中容疑者は、逮捕直後は現金の受領を否定していたが、その後、籔本被告らから「現金を受け取った」などと供述したという。現金受領の場に田中容疑者の妻が同席したケースもあり、妻が籔本被告に現金提供のお礼を伝えたとみられる留守番電話のメッセージも残されていたという。
田中容疑者は、受領した現金の使途について「一部は祝勝会などで日大出身力士らに渡した」と周囲に説明。ただし、現金が関連事業を巡るリベートとの明確な認識はなかったとの趣旨の話もしているという。
一方で、田中容疑者は脱税容疑に関し、「税務申告は妻に任せていて、わからない」と供述。周囲には「全ての責任は自分が負う」などと話しているという。