秋田県警は11月、40代会社員を道交法違反(あおり運転)容疑で摘発した。車で走行中、目の前に出てきた車に注意しようと追いかけ、無理に停止させたという。会社員の行為が危険なことは言うまでもないが、秋田県では目前での右折や内回り右折、追い越し妨害、車間距離無視など〝ちょっと怖い〟運転をする人が少なくないという指摘もある。
注意しようと割り込み
北秋田署の調べでは、会社員は国道を車で走行中、道路左から右折で出てきた軽自動車に進路を妨害されたとして、Uターンして追いかけ、直前に割り込んで停止させた疑い。
会社員は「急ブレーキをかけるほど危険な状況だったのに、そのまま走り去ったので、注意しようと思った」と打ち明ける。
双方ともドライブレコーダーを装備しておらず、同署は軽自動車の60代男性については「直進妨害など違反を証明できるものはない」としている。
目前の進入・右折
今回のような目前での進入や右折について、秋田市の40代男性は「秋田県ではよくあること。ひとごとではない」という。
記者も県内を運転するようになり、目前で道路進入されたり右折されたりしてブレーキを踏むことが増えた。同様の場面を目撃することも、他県より格段に多く感じる。時速60キロなら1秒で約17メートル進み、急ブレーキをかけても停止まで44メートル必要で、これが車間距離の目安でもあるのだが…。
県警交通指導課の保坂俊樹次長は「事故に至らなくても、こうした無理な運転で危ない目に遭ったという通報はよくある」とする。運転指導業務の50代男性も「幹線道側は青信号が長く車がなかなか途切れず、ちょっと間が空くと無理な右折や進入をする」と指摘。2人は「こういう人は、今出ればどれだけ危険かを考えていない」と声をそろえる。
危険な「内回り右折」
秋田では「内回り右折」も多いと2人は指摘する。交通の教則は「右折時は交差点の中心のすぐ内側を徐行」と定めるが、「内回り右折」は弧を描かずに、交差点内をショートカットして直線状に右折する行為。これでは右側道路からくる車の進路をふさぎ、衝突の危険もある。
保坂次長は「無理な進入や右折も、走り去ってしまうなどで検挙に至ることは少ないが、違反は違反」とクギを刺し、「ナンバー下2ケタと車種がわかれば車を特定して注意できるので、危険な目に遭わされても追いかけたりせず、まずは通報を」と呼びかける。
不可解な〝追い越し妨害〟
また、不可解な運転として2人が指摘するのが高速道路やバイパス道での〝追い越し妨害〟。制限速度前後で走っている車の大半が、追い越し・登攀(とうはん)車線が近付くと後ろに詰まっている車に抜かれないよう加速し、1車線に戻ると再び制限速度前後で走るのだ。
「他車にも法定速度を守らせようとする正義感なのか」「ハンドルを握ると人が変わり追い越させまいとするのか」と2人は推測するが明確な理由は不明だ。
車間距離を空けず前車にぴったり付いて走る車も多く、2人は「漫然と前車に付いて運転し、危険性を考えていない」と指摘する。
半面、秋田県では脇道から優先道路に出る際に譲ってくれ、片側2車線でも左車線走行を守る人も多いなど、やさしい面もあることを2人は付け加える。(八並朋昌)