観賞用メダカの盗難相次ぐ、400万円超の被害も 「必死で育てたのに」

品種改良でさまざまな色や形の新種が登場し、近年ブームとなっている観賞用メダカが、飼育場や店舗から盗まれる被害が相次いでいる。ブームの火付け役になった品種を作り出した愛媛県今治市の飼育者は今年7月と今月、立て続けに盗まれ、被害額は400万円超相当。新潟や栃木などでもメダカが狙われ、飼育者らは「必死で育てたのに……」と憤っている。
全国から約300点のメダカが出品される品評会を毎年2回開催し、新種の認定・登録を行っている「日本メダカ協会」(広島県廿日市市)によると、品種改良は2000年ごろから徐々に盛んになり、現在600品種以上ある。体が金魚のように赤い「楊貴妃」や、背中が青白く光る「幹之(みゆき)」が04年、07年にそれぞれ誕生してブームは加速。初心者でも簡単に飼育・繁殖できることや、種類が豊富なことから人気を集めている。
盗難被害に遭ったのは「幹之」の生みの親で今治市在住の日本メダカ協同組合副理事長、菅高志さん(59)。約15年前からメダカを育て始め、現在数万匹を飼育している。7月には、日光に当てるため、飼育場のハウス外の水槽に出していた400匹が盗まれた。3台ある防犯カメラの死角を狙われた。被害額は400万円に上るといい、愛媛県警に被害届を出した。
さらに今月2日、同市の店舗に出品した300匹のうち、一番高い5000円で販売していた赤・白・黒の3色で青白く光る品種「3色ラメ幹之」の5匹セットが盗まれた。店舗が県警に届け出たが、いずれの事件も解決していない。

菅さんはインターネットなどでメダカを販売しているが、盗難に遭ってメダカが減り、ここ2年間はほとんど販売できていないという。「腹が立つ。必死で育ててきたのに全部パーだ」とやるせなさをにじませる。
新潟市でメダカなどを販売している「World Green Aquarium」の男性店主は、7月に2万円相当の「ブラックダイヤ」など5匹を盗まれたという。先月24日、ツイッターに「盗難がひどい」との書き出しで投稿し、盗難者が残したとみられる「メダカ5匹の代金、100円置いていきます」と書かれたメモの画像を公開。約6000件リツイートされるなど反響を呼んだ。過去にも何度か盗難被害に遭っているという男性店主は「大切に育てており、子供同然だ。勝手に値段を決めないでほしい」と訴えている。【花澤葵】