西鉄バス事故、運転手に禁錮1年6月求刑 居眠り運転で12人けが

北九州市小倉南区で5月、西鉄バス北九州の路線バスが道路脇の電柱に衝突して乗客が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われたバスの男性運転手(51)=福岡県苅田町=は14日、福岡地裁小倉支部(森喜史裁判官)で開かれた初公判で起訴内容を認めた。検察側は禁錮1年6月を求刑、弁護側は「勤務先の配慮が欠けていたことは否めない」などと執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は28日。
起訴状によると5月18日、バスを時速約30キロで運転中、強い眠気を覚えたのに運転を続けたため、居眠りをして道路左端の電柱に衝突。乗客12人に足の骨折などのけがをさせたとされる。
運転手は弁護側の被告人質問で、うつ病で8カ月休職し復職後、空車状態での教習などを経て、事故前日の5月17日から単独での運行業務に就いていたと説明。17日午後7時過ぎに勤務を終え、18日は午前4時51分に出勤。「朝から体がだるく、起きるのに時間がかかった」と話した。
運転手不足について弁護人から「人員は足りていなかったのか」と問われると「人欠は常にしていた」と答え、「勤務を交代してほしいと申し出なかったのか」との問いには「通常、そういう形で交代を言われたことがなく、眠気があるときは一度バスを止めて、タイヤをたたき、体を動かして眠気を覚ますよう指導を受けていた」と返答した。事故直前にも眠気を感じたが「終点に到着してから、体を動かせばいいと思っていた」と振り返った。
事故を受けて運転免許取り消しの処分を受け、会社側からは懲戒解雇処分の予定を告げられていることを明かし「裁判結果が出次第、死んでおわびしようと命を絶つつもりでいた。事故後の光景が目に焼き付き、乗客が血を流していたり震えていたりしていた様子を思い出す度に、大変申し訳なく思う。謝っても謝りきれない」と声を震わせた。
被告人質問の最後、検察側が証拠として提出した調書に目を通した森裁判官から「被害者の処罰感情として『法律に従った処分を』という方が多い。責任の取り方は命を絶つことではありませんので、誤解のないようにしてください」と語りかけられ、「わかりました」と答えた。【成松秋穂】